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» 2010年12月08日 08時00分 公開

海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点:画期的なビジネス交渉 (4/4)

[エグゼクティブブックサマリー,ITmedia]
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正しい分析をする

 『いかなる分析においても、完璧かつ、包括的であることが求められています。交渉の構成要素7つをしっかり考察すれば、何がこれから起ころうとしているのか、本質的に十分理解できるでしょう。交渉を続ける過程において、これら7つの要素がそれぞれ変わっていく様子に注目しておきましょう。

1.関係者

交渉に関与している人、また、これから関与する可能性のあるすべての交渉者たちを明確にしましょう。もし2つ以上のグループが交渉にかかわっているならば、交渉グループ間にどんな結びつきや繋がりが存在し、どのように発展していくのかを分析することも重要です。また、交渉グループの裏側にある存在にも気にとどめておきましょう。どのグループも一枚岩と考えてはいけません。グループを代表するさまざまな人が、それぞれに担っている役割や権力についても考えを巡らせておくことが大切です。現時点で交渉にかかわっている人やこれから関係してくる可能性のある人の「組織相関図」の作成をお勧めします。

2.ルール

交渉の議題に関連のある法令や規定、社会慣習、職業上の行動規範は、交渉遂行に不可欠なルールです。

3.課題

1)直面している議題や課題、そして、これから直面しそうなものは何であるのかを考えておきましょう。また、議題を必ずしも決定しておく必要はないということを覚えておいてください。なぜなら、交渉の当事者間で作成したり、変更したりする可能性があるからです。

2)仕事上の賠償金交渉では肩書きや責任を分離しておくなど、切り離して考えることのできそうな問題はすべて明確にしておきましょう。

3)交渉相手との関係性は、交渉上、問題になるのかと懸念されるところですが、商取引において、既存の対立は問題にならない傾向にあります。しかし、事前に生じた問題の場合には、影響を及ぼすかもしれません。

4.利益

それぞれの交渉グループは、どんな目的を掲げているのでしょうか。さまざまな利益を明確にしながら、分け前を増やす方法によって、価値を見出す手段を考えてみましょう。交渉者がお互いを心から信用していない場合には、お互い共通の利益を見つけること双方に有益な取引を提案し合うこと、そして、弱みを補強し合うこと、によって価値を見出すことができます。

5.選択肢

もしどうしても交渉に同意できない場合、「最も望ましい代替案(BATNA)」を考えてみましょう。訴訟を起こしたり、離職したり、ストライキを起こしたりして、解決まで達することができない場合、いつでもBATNAを活用できます。また、交渉相手にも有効です。BATNAを決定するには、自身の最低条件を設定し、また、何もしないこと、遅延させることによる利点を考えてみましょう。さらに、代替案を強化してくれる提携を結ぶことも検討してみましょう。

6.合意

すべての交渉関係者が満足してくれそうな合意とはどのようなものなのでしょう。そもそも合意とは、交渉取引の中で生まれてくるものであり、交渉を繰り返している中に、将来性のある合意が存在しているのです。ただ、交渉を楽な方向に進めるのは、論外です。合意に達しなくても、不利な取引をするより良いのです。成功を手に入れるために合意を勝ち取らなくてはならないと思う必要はありません。自身のBATNAや相手のBATNAをしっかり知っておくことが、より良い結果をもたらす鍵となるでしょう。なぜなら、一方が快く譲渡し、もう一方が、快く承諾することが大切だからです。

7.リンク―現在行っている交渉が、ほかの交渉とつながりがあるならば、関連のあるものを図式してみてください。そして、論争を繰り広げながらも、相互に関連し合っていることを意識しておくことが大切です。

 上記7項目の分析が終わったら、交渉を有利に進められるように、合意やチャンスを妨害するものがあれば明確にしておきましょう。妨害するものとは、交渉の席に場違いの交渉グループが存在したり、あまりに多くの交渉相手が存在することをいいます。もし交渉過程にサポーターを導入し、対抗者を排除することができるならば、優位な状況で交渉を始めることができるでしょう』

 ここでは交渉においての正しい分析術について明記されています。大きな思考フレームで考えると、7つの項目があることが分かります。それらをしっかりと分析すると同時に、交渉への同席者にも気を使っておくことが重要なのです。

この本の詳細

  • 著者:マイケル・ワトキンスは、ハーバードビジネススクールの経営管理学の助教授を務めており、交渉や企業外交の分野にて教鞭を執っています。また、ハーバードロースクールでは、交渉学課程の準会員であり、よく参加しています。共著の中には、「Breakthrough International Negotiation」「Winning the Influence Game」「Right from theStart」があります。
  • ページ数 310ページ
  • 出版社および発売日 Jossey-Bass(2002年6月、初版)
  • 言語 英語
  • amazonへのリンクはこちらです。

プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長

鬼塚俊宏氏

経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。


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