この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。
この要約書から学べること
世界中のプロスポーツチームは、優秀なアスリートを抱えています。例えば、最速のピッチャー、強打者、ボールさばきのうまい選手などです。このような選手は子どものころからスポーツをやっており、長い時間をかけてアスリートとしてのスキルを育て、磨いてきました。しかし、このように素晴らしいトレーニングを受け、並はずれた才能を持ったアスリートでさえも、コーチに頼り、最高のパフォーマンスを引き出す方法を教えてもらっています。スポーツのスーパースターがコーチを必要としているのなら、企業リーダーにも必要ではないでしょうか?3人の著者は、本書の中で、どのようにして組織は確かなエグゼクティブ・コーチング・プログラムを立ち上げ、リーダーの専門知識や技術を育てることができるのか?など具体例を交えながら、エグゼクティブ・コーチングとリーダーシップ開発の手順を説明しています。本書を管理職のリーダーシップ能力を強化したいと考える、すべての人にお勧めします。「コーチング」はここ数年で日本においても急速に広まった人材開発のための技法のひとつです。
現在、コーチングはあらゆる分野で広く生かされています。しかしながら、企業内、特に管理者や経営者に対してのコーチングは今でも主流であり、大きな成果を上げるために欠かせない存在になっています。この書ではコーチングとは具体的にどのようなものであり、それを導入するにはどれくらいのコストがかかるのか?またどのように利用することで社内の生産性を上げる事ができるのかということが事細かく書かれています。コーチングをこれから検討しようとしている方にはとても参考になる書です。ではその内容を見ていきましょう。
エグゼクティブ・コーチは、1対1で企業リーダーを育てます。組織は、新しく注目を集める任務や外国勤務の命令、昇進や横方向の異動など、転換期に直面したリーダーを助けるためにもエグゼクティブ・コーチングを活用します。
例えば、スリベント・ファイナンシャル・フォー・ルースランズ社は、オリエンテーションの期間中、新しい販売担当重役のためにコーチを雇っています。コーチは、新しい上級管理職者を仕事に就いて最初の6カ月間、アシストします。また、リーダーが「脱線」してしまいそうになった時、レール上に留まり続けられるよう手助けします。
エグゼクティブ・コーチングは、ライフ・コーチングとは異なります。ライフ・コーチングとはビジネス環境の外側にある個人的な成長に焦点を当てたものです。元々、組織は十分な結果を出せないリーダーに対し、エグゼクティブ・コーチングを提供していました。少数の企業が今でもそうしていますが、問題のある従業員に焦点を当てたコーチング・プログラムは、成績優秀者として積み重ねて来たものを損なわせてしまいます。今日、組織はほとんど、将来性の高いリーダーのためだけにエグゼクティブ・コーチングを用意しています。多くの場合、それはキャリアを開発するためのものです。また、パブリック・スピーキングや時間管理、コミュニケーションや予算・財政などの分野に関する特定の専門知識やスキルを育てるために、エグゼクティブ・コーチングを利用しています。
エグゼクティブ・コーチングやライフ・コーチングといった、外部の第三者からのアドバイスは、相性があえば非常に有効性の高いものだと思います。実際にアメリカでは、個人なら定年でリタイアしたビジネスマンの第二の人生についてのライフ・コーチングや、本書で紹介されているような、管理者に対して実施するエグゼクティブ・コーチングなど、その需要は、非常に大きなものです。
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