「生涯エンジニア」という新しい生き方を提供する技術者派遣サービス会社のメイテック。現在、その社長を務める西本甲介氏は、強烈な個性を持つ創業社長の下で長年に渡って社長室勤務をしてきた経歴を持つ。創業者から学んだのは社長としての覚悟だったという。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
2月22日に開催されたトークライブ「経営者の条件」(主催:経営者JP、協力:ITmedia エグゼクティブ)第8回のゲストは、株式会社メイテックの代表取締役社長、西本甲介氏。メイテックは、携帯電話やデジタル家電、自動車などの製造業で製品の設計・開発に携わる技術者の派遣サービスを主な事業としており、この分野では国内最大手だ。
西本氏の話題は、本業以外でも名を知られるメイテック創業者・関口房朗氏との関係や、派遣技術者という生き方を貫こうとする社員たちに対する覚悟、そして日本の技術者の働き方、生き方といったものまで、多彩な内容に及んだ。
「最近では、派遣エンジニアという働き方で60歳の定年を迎える人も出てきた。これからの時代の新しい働き方を考える上で喜ばしいこと」と西本氏は言う。
マネジメントへ進まなければ賃金が上がらない仕組みになっている企業が多い日本の製造業。エンジニアとして働き続けたくても、なかなか難しい。そんな中でも、自らの技能で働き続けることができるのが、技術者派遣という生き方だ。
一般に「派遣」という言葉にはネガティブなイメージを持つ人も多いだろう。確かに、しばしば派遣は非正規雇用の代表格とされ、正社員より格が低く不安定な働き方だと思われがちだ。もちろん、正規雇用と非正規雇用の格差は根深い社会問題となっている。
「今や非正規雇用は労働者の1/3あまりを占めるまでに増えているが、その非正規雇用の大半はアルバイトやパート。雇用安定化を考える上では、こうしたアルバイトやパートも含めた非正規雇用全体を見るべき」(西本氏)
非正規雇用の中では少数派といえる派遣労働。さらにその派遣労働の中でも、待遇や働き方の違いがあり、法的にも細かな分類がなされている。現在の多くの人材派遣会社は、登録スタッフを業務に応じて派遣し、賃金は派遣期間のみ支払うような事業形態。いわゆる労働者派遣業法では「一般労働者派遣事業」と呼ばれるものだ。
これに対し、メイテックは「特定労働者派遣事業」となっている。顧客企業に派遣するのは正社員として雇った人材であり、派遣期間以外でも賃金を支払う仕組みのため、「常用雇用型」ともいわれる。派遣という名称で呼ばれるが、その実態はむしろ正規雇用に準じた内容だ。派遣=非正規雇用=不安定と短絡的に考えては、メイテックの業務を誤解することになってしまう。
メイテックの事業の中核は、主に製造業の設計・開発部門で役に立つ専門的な技能を持った人材の派遣サービス。現在では全国35拠点で、約6000名の技術者を日本中の企業に派遣している。当然ながら、求められるのは高度に専門的な技能を身に付けたエンジニアである。メイテックの社員たちは、家電メーカーや自動車メーカーなどの顧客企業が必要とする、いうなればプロフェッショナルとして、自ら身に付けた技術で働き続けることができるというわけだ。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授