「家族が急病で」「体調不良で」……。毎度毎度同じようなウソをついて仕事や予定をドタキャンする部下や同僚。彼らはなぜ、ウソをつくのだろうか。
「すみません。母が急に倒れて、これから病院に送っていかねばならなくなりました。今日のレクリエーション、申し訳ありませんが欠席させてください。はい、私もとても楽しみにしていたのですが……」
あなたの周りにもいませんか? 遅刻や急な休暇を繰り返したり、休日の社内レクリエーションを当日になってキャンセルする部下や同僚が。その理由はいつも、自分や家族の急病です。最初は「大丈夫だろうか」と心配になりますが、何度も同じことが続くとさすがに、「お母さま、病弱なんですね」などの嫌みのひとつも言いたくなってしまうでしょう。
彼らは往々にして、普段は「いい人」です。だからあなたは彼らから連絡が入るたびに、「そんな明らかなウソをつかなくてもいいのに」と哀しくなったり、「先に言ってくれればいいのに、何故言わないのだろう」と不思議に思ったりするかもしれません。
彼らのウソの結果、仕事が回らなくなったり、レクリエーションの会費が回収できなかったり、などの実質的な被害が発生することもあります。そんなときは、「コイツをもう切り捨ててしまおうか」と思って、そんな自分に嫌悪感を抱いたりすることもあるでしょう。
実は、ウソから生じる被害を最小限に抑える簡単な方法は、彼らを当てにしないことです。その人がいなければ回らないような仕事は担当させず、忘年会などのオフタイムでの集まりでは最初から人数にカウントしないことです。
そんな意地悪はできないって? 彼らは、本当は気配りのできるとてもいい人なので、できればうまくやっていきたい、もしくは、さまざまな事情で、うまくやっていかなければばらないという場合、どうすればよいのでしょう?
彼らのウソには、幾つかの特徴があります。1つ目はギリギリになってからの休みやキャンセル、いわゆる「ドタキャン」であること。2つ目はその理由が自分の体調不良や家族の病気だということです。
何故彼らはそのように「急に」「誰かを病気にしてまで」ウソをつくのでしょう?
ドタキャンをする理由はズバリ、周りに気を使っているからです。ほかの業務が詰まっているときに追加で仕事を割り振られたり、気乗りのしないレクリエーションの誘いを受けたりしたとき、すぐに断ればいいのですが、相手に迷惑をかけてはいけない、不快な思いをさせたくないと思うがために、つい好意的な返事をしてしまいます。
でも、いざそれをやらなければいけないときが目の前に迫ってくると、「やっぱり嫌だ」「でもやらなくちゃ」「やっぱり」「でも」……と気持ちがせめぎ合い、結果、ギリギリになって「やっぱり無理!」となってしまうのです。
では、自分や家族を病気にしてしまうのはなぜでしょう? それは、誰も悪者にしたくないからです。仕事や予定をキャンセルする自分はもちろんのこと、その話を自分に持ってきた上司や同僚も悪くない。仕事や予定そのものも魅力的で、自分はぜひ携わりたいと思っていた。けれども、これらとは別のところに原因があって仕方なくキャンセルした。これは不可抗力なのだ!――そう納得したいがために、自分や家族を病気(だということ)にしてしまうのです。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授