ユーロ圏が揺れている。ギリシャの財政危機に端を発したユーロ圏の「国債危機」。しかしもはやギリシャの破綻は「想定内」といえそうだ。
ユーロ圏が揺れている。ギリシャの財政危機に端を発したユーロ圏の「国債危機」。しかしもはやギリシャの破綻は「想定内」といえそうだ。実際、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場では、ギリシャの破綻確率は90%と見られているという。すでに市場の関心は、次に何が起こるのかに移っているようだ。
最も大きな懸念は、ギリシャの破綻がユーロ圏の他国に波及するのかということだ。米格付け会社S&P(スタンダード&プアーズ)は、イタリア国債の格付けを引き下げた。今のところこの引き下げが大きな波紋を引き起こしているわけではない。しかしイタリアはギリシャに比べると経済規模で7倍という大国である。もしイタリアの債務返済に不安が出るようなら、国の資金繰りが苦しくなり、いま用意されているような支援プログラムではとても間に合わない。
他国への波及もさることながら、もう一つの懸念は欧州の金融機関である。フランスやドイツの銀行はもちろんギリシャ国債を大量に保有している。もしギリシャがデフォルト(債務不履行)ということになると、巨額の不良債権を抱えることになる。そうなれば2008年9月15日のリーマンショックの再来になりかねない。
リーマンショックのときは、サブプライムローンと呼ばれる「危ない」債権が金融商品として加工され、それを銀行・証券、年金基金などが大量に保有(運用)していたことで危機が全世界に広まった。金融機関の資産が毀損し、その結果、金融機関同士の資金融通が収縮、そして銀行などが融資や信用供与を絞ってしまった。これによって企業の資金繰りが急迫し、貿易信用が縮小したことで貿易量も急減した。
今回もそうした金融大収縮が起きる可能性もある。一部の経済学者は、1929年の世界大恐慌(The Great Depression)と並ぶ第二次金融大収縮(The Second Great Contraction)が来ると警告している。
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明治学院大学 経済学部准教授