「レースサーキットの興奮を伝えたい」── マーケティングの変革に取り組むISCTeradata PARTNERS 2011 Report(1/2 ページ)

サンディエゴの「Teradata PARTNERS 2011」では、約300のセッション中、ユーザーによる事例セッションが100を超える。金融、通信、流通、航空といった、Teradataが得意とする業界の名立たる企業に交じって、スポーツエンタテインメント業界のISCもそのCRM活用事例を紹介した。

» 2011年10月06日 08時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
ISCのCRM担当シニアマネジャー、ジェネリー・キーター氏

 「レースサーキットに行くことで得られる臨場感、エンジン音や排気の匂いを含めた熱気を伝えたい」── こう話すのは、International Speedway Corporation(ISC)でリレーションシップマーケティングを担当するシニアマネジャー、ジェネリー・キーター氏。

 米国時間の10月3日からサンディエゴで開催されているTeradataユーザーグループの年次カンファレンス、「Teradata PARTNERS 2011」では、約300のセッション中、ユーザーによる事例セッションが100を超える。金融、通信、流通、航空といった、Teradataが得意とする業界の名立たる企業に交じって、スポーツエンタテインメント業界のISCもそのCRM活用事例を紹介した。

 ISCといってもピンとこないが、米国の歴史あるカーレース「デイトナ500」をご存じの読者は多いだろう。ISCは全米12のレース場を運営しており、デイトナ500をはじめとする全米自動車競争協会(NASCAR)が統括するレースを年間24回主催し、延べ360万人の観客を動員するプロモーターだ。

 ストックカー(市販車をベースにした改造車)を使用するNASCAR統括のレースは、第2次世界大戦後ほどなく始まった由緒あるものだ。デイトナビーチのような全米のレースサーキットに足を運ぶ熱心なファンに支えられている。1990年代以降はテレビ放映が始まり、お茶の間の数千万人を楽しませているが、やはりレースサーキットではテレビにはないスリリングな体験が得られる。

 キーター氏は、「ファンとのコミュニケーションを密にし、レースの前もレースが終わったあともそれぞれに合った素晴らしい体験を提供できるように努めている」と話す。

 より多くのファンに足を運んでもらえるようISCは2007年、新しいCRMプロジェクト「fanMAX」をスタートさせた。それまではダイレクトメールやe-メールなどのマーケティング施策がばらばらに行われ、どの施策がチケットの購買に結び付いたのかを把握することもできなかったからだ。

 「顧客を360度すべてのビューで把握してセグメント化し、それぞれにターゲット化されたメッセージでコミュニケーションを図れるようにすることをプロジェクトの目標とした。われわれは、数打てば当たるといった方式から“リレーションシップマーケティング”へと変革する必要があった」とキーター氏。

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