失敗から学ぶ文化を築かなかければ学べない。失敗が発生した時に「誰が」ではなく「何が起こったか」を追及する。次に重要なのは失敗の発見と分析だ。
失敗から多くのことを学ぶことができる一方で、成功はともすると自信過剰になり学習を妨げるため次に失敗を誘引する、といわれる。
しかし反面、経営者や企業人は失敗から安易に学ぶことができるという誤った認識を持っていないか、一方で成功が学習を妨げるという内容を正しく認識しているだろうか。
経営現場の実態や経営学者・心理学者の意見を参考にしつつ、失敗と成功から学ぶことについて検討を試みる。まず失敗を、次に成功を、いかに厳しく検証すべきか論ずる。
「失敗から学べ」というが、「そのことに長けた組織はごく稀である。これは真剣に学ぼうとする姿勢が足りないからではない」。「そもそもマネージャーたちが失敗について誤って考えているからだ」と、エイミー C. エドモンドソン ハーバード・ビジネス・スクール教授は主張する(Diamond Harvard Business Review=DHBR July 2011)。
何が間違いだったかを反省させ、間違いを繰り返さないように忠告をすれば良い、できればレポートにして周知徹底すればなお良いという考えが根強いが、見当違いも甚だしい。なぜなら、(1)失敗は常に悪いとは限らないし、(2) 失敗から学ぶことは簡単ではないからだ、とするエドモンドソンの見解は、反省と忠告と周知徹底が失敗に対する常套対策手段だと考える経営者・管理者には実に耳が痛い。では、失敗を生かすにはどうすれば良いか。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授