「社長の仕事」と「72時間ルール」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

自分が「やるべきだ」「やりたい」と思ったことは「72時間以内に必ず第1歩を踏み出す」というルールを始めてみる。

» 2012年04月12日 08時00分 公開
[浜口隆則,ITmedia]
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 「社長の仕事の質が会社の成否を決めている」何千人という社長と接してきて、何千社という経営の趨勢を見てきて、思い知らされたことだ。

「社長の仕事」

 この事実は、多くの成功者が語ってきたことでもあるし、職位に関係なく、会社に属する多くの者が理解できると思う。また、日々、社会からの厳しいフィードバックを容赦なく受けている実践の経営者ならば、なおさら、強く実感しているはずだ。

 しかし、実は、そこに大きな落とし穴がある。

 なぜかというと「社長の仕事が会社の成否を決めている」のは、長期的には真実だが、短期的には真実ではないからだ。

 経営は不思議なもので、短期的に見ると、社長の実力に関係なく成功していることが多い。経営の成功を支える要因が、たまたま揃っていたり、時流やブームに乗ったり、一部の突出した能力が強くて全体の成功を支えていたりすると、成功する。いや、成功してしまう。

 つまり「たいていの成功は、偶然である」ということだ。

 しかし、それにもかかわらず、多くの社長は「偶然の成功」で満足してしまう。成功の一部が偶然によってもたらされているとは夢にも思わず、すべてを自らの力で成し遂げた成果なのだと信じてしまう。

 だから、社長としての実力を高めることをやめてしまう。

 そういった努力から逃げるようになり、人の話を聞かなくなり、独善的になる。そして、失敗してしまう。環境は常に変わる。それによって自社を成功に導いていた要素も常に変化している。

 当然、偶然によってもたらされていた要素も変化する。その時、実力のない経営者は、それを再構築することができない。

 いや、そもそも「何が変化したのか?」「何が必要なのか?」が分かっていない。偶然の成功に酔い、社長としての実力を高める努力をせず、経営に必要な「要素と構造」が分かっていないのだから、当然のことだ。

 分かるのは、うまくいっていないという事実だけだ。多くの社長が「社長であり続けることができない」という、厳しい現実の大きな原因の一つが、この点にある。

 「社長の仕事」は、会社を一時的な成功へ導くことではない。会社を「永続させる」ために必要な「すべて」のことを行うことだ。それは簡単ではない。

「成功するのは簡単だが、成功し続けるのは難しい」のだ。本書は、その難しさと正面から向き合う、覚悟のある社長のために書いた。

 一時的な成功ではなく、継続的な成功を目指そうとする社長。一時的な成功に酔うことなく、過信せず、実力を高めようとする社長。そういった社長のために書いた。

 数千人の社長が目の前で見せてくれた現実、成功と失敗から生まれた言葉は、厳しかった。なぜ厳しいのか?それは「自分との対峙(たいじ)」を要求するからだと思う。

 自分を見つめること、自分に向き合うことは、厳しく辛いことでもある。しかし、それこそが「社長の仕事」の大切な第1歩なのだ。

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