リーダーとして多くの人を束ね率いる立場なら、自分の顔が周囲にどのように見えているのかを知り、表情をマネージメントするという意識を持つべきだ。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
最近は、自分の健康管理は能力のひとつとも言われていますが、その日のコンディションが表れやすい顔のチェックはどうでしょう? 「顔色はどうか?」「目の下にクマができていないか、顔が浮腫んでいないか?」「目が腫れぼったくないか?」など周囲の人に気づかれたくない、他人に見せたくない顔は、誰にでもあるものです。
アナウンサーという人前に顔をさらす仕事をしているわたしにとって、誰に見られているか分からない状況では、仕事にマイナスになるような顔で画面に登場しないように日々鏡や自分の映像をチェックすることが習慣になっていました。顔は周囲の人から絶えず見られているのに、自分では直に見ることはできません。一般の人よりも自分の顔への意識を向けていましたが、1日中その意識を継続できるわけではありません。
わたしが担当する番組を見た家族や知人から「時々、つまらなそうな顔をしていたわよ」「疲れた顔していた」と言われ、ハッとすることがありました。意識があっても、自分がどのような顔で人に対しているかを、しっかり自覚できていませんでした。
笑っている、怒っている、真剣な表情をしているというイメージはあっても、実際はどのような表情をしているか、イメージどおりの表情なのか分かりません。自分が描いている自分の顔と実際の表情に違いがあり、周囲の人には見られているのに自分が知らない顔があります。気付かないことで相手の印象を損なうこともあれば、誤解されることもあります。
わたしも「こんな顔していると思わなかった」と気付いた瞬間がありました。ある対談番組で、ゲストとにこやかに会話をしていると思っていたのに、画面の中のわたしは、顔がこわばりまったく笑顔に見えない固い表情を浮かべていました。テレビの画面に映った実際の表情と自分のイメージの違いを目のあたりにし、愕然としたのです。表情のギャップは誰にでもあるものだと思いますが、気付いていない人が多いものです。
顔の表情は、自分が思っているよりも多くのメッセージを伝えています。顔は外へ情報を発信している重要な役割を担っています。周囲の人とのコミュニケーションがスムーズにいかない、自分では一生懸命、相手と打ち解けようと思っているのに、会話が弾まない。相手からは「いいね」という言葉が返ってきても、本音は違うのではと感じた経験はありませんか?そんな時は何がコミュニケーションのマイナスになっているのでしょう?表情や声の調子など話の内容以外の要素が相互理解の妨げになっていることが少なくないのです。
考えてみてください、落ち着いて冷静なことは悪い印象ではありませんが、表情の変化が乏しい人からは本音が見えてきません。無愛想な人と会話していても反応が薄く、会話が途切れたりテンポがかみあわず何を話していいか困ることもあります。もともと日本人は感情を表に大きく出すことを控える習慣があり、その傾向は今も残っています。控えめに大げさにしないことが、好ましいとされてきました。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授