「いつもやる気が出ない」とお嘆きのあなた、“無限ループ”に陥っていませんか?
前回、この連載で燃え尽き症候群かな と思ったらというお話をしました。大きな目標を達成した後に突然やってくる虚脱感に対し、「やる気は出すものではなく、出るもの」「やる気が出てくる環境を整えよう」というお話です。掲載後にソーシャルメディアを見たら、「今の自分がまさにそうだ」という意見が寄せられていました。
一方、「いつもやる気が出ない」という声もありました。確かに、毎日やる気に満ち溢れているのは一部の方だけかもしれませんね。私にもやる気が出ないときがあります。人間ですから。
けれども「いつも」という言葉が気になりました。「『いつも』やる気が出ない人がいるらしい」……と考えたら、過度なプレッシャーでまったくやる気が起きず、毎日がつまらなかった私自身の体験を思い出しました。
そこで今回は、「やる気が出ない無限ループ」から抜け出す方法について考えてみます。
やる気が出なくなる最初の原因は人によってさまざまですが、「いつも」やる気が出ない人は、このようなパターンになっていることが多いのではないでしょうか。
この「やる気が出ない無限ループ」に入ってしまうと、新しい行動を始める気が起きません。その結果、新しい変化も起きず、会う人も、触れる情報も、考えることも同じなので、なかなかループから抜け出せません。
「やる気が出なくても、何でもいいから行動を変えてみよう」という情報もあります。行動すれば何かしらの結果は変わるはず……そうした期待を胸に、新しい本を買ったり、ちょっと勇気を出して、今まで行ったことのないセミナーに行ってみたりするのですよね。けれども期待とは裏腹に、ちょっとした行動だけではこの無限ループから抜け出すことがなかなかできないのです。
そして「なんで私はやる気が起きないのだろう……」と自分自身を責めたり、充実した毎日をあきらめたりする人もいるかもしれません。
私は、やる気が「今」出ない人はいても、「いつも」出ない人はこの世に存在しないと考えています。
例えば、あなたが今この文章を読んでいるのは、言葉を学習してきたからです。言葉を覚え始める1〜2歳の幼児にとって、言葉の学習は相当困難だったはずです。お母さんやお父さんに思いがうまく伝わらず、悔しい思いもしたでしょう。それでもあきらめずに学習してこられたのは、やる気が元来備わっているからではないでしょうか。字を書くこともしかり、歩くこともしかりです。
でも、今は違います。「そんな難しいこと、自分には無理だ」「あ〜、やる気が出ないな〜、面倒くさいな〜」と、新しい何かを始めるときに思ってしまう。一体なぜ、そのように思うようになったのでしょうか。
私たちは今まで、たくさんの人に囲まれて育ってきました。生まれたばかりのころはお母さんとお父さんの愛情に包まれていました。寝返りが打てるようになったり、話せるようになったり、ハイハイできるようになると、親は「よくできたね」「えらいね」と褒めてくれ、頑張りを認めてくれ、喜んでくれました。だからこそ、私たちは「話す」「歩く」という困難を学習できたのでしょう。そのころの記憶がないのが残念ですが、少なくとも今、私は自分の子供にはそう接しています。
けれども、成長してくると状況が少しずつ変わってきます。「○○ちゃんはできるのに、あなたはどうしてできないの」「そんなこと、あなたには無理に決まってるでしょ」「絵なんて書いていないで勉強しなさい」と、他人と比較されたり、やる前に頭ごなしに否定されたり、喜んでくれるんじゃないかと思ってやったことが評価されなかったり。本当は自分のことを認めてほしかったのに、「あなたならきっとできるよ」と励ましてほしかったのに、一生懸命書いた絵を褒めてほしかったのに。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授