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» 2012年09月25日 08時00分 公開

人と本と旅から考える力を学び、自分のいる場から世界を変えていく ――ライフネット生命保険 出口社長ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(2/2 ページ)

[岡田靖,ITmedia]
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 ライフネット生命の経営においても、ダイバーシティを重視した人事を心掛けている。マーケティング担当常務の中田華寿子氏や、その部下の多くが生保未経験であることは、その代表例だ。これまでの生保が手掛けてこなかったネット専業という業態でスタートするに当たっては、生保業界の考え方に染まった人間からは出てこないようなアイデアが必要となる。そのために、あえて業界未経験の人材を重用したのである。そしてもちろん、生保業界経験が必要な業務もあるので、そこには経験者を配置している。

 「ライフネット生命はベンチャーだから社員教育に大きなウェイトを置くことはできない。だからスペック採用が基本。そして同一労働同一賃金。年齢や性別などは考慮しない。その一方で、ライフネット生命のDNAを残していきたいので、3年前から定期採用も実施している。博士課程を修了して社会に出て2〜3年の活動をしても間に合うよう30歳までを新卒として扱い、論文で選考。論文は、考える力を見ている。難しいお題を課し、数字、ファクト、ロジックで考えてられているかを判断、水準に達していなければ採用しない。初年度は約8000人がノミネートしたが書いてきたのは39人、そこから2人を採用した。飛び抜けて優秀でユニークな人材だったからだ」(出口氏)

世界を変えていくには、自分のいる場から

 出口氏自身も、これまでに人や本や旅から学んだことを生かし、自分のいる場で、すなわちライフネット生命を通じて、世界を変えようとしている。その一つが、「生命保険の考え方」を変えることだ。レガシー生保企業が想定している家庭像は、いわば20世紀後半の日本型家庭像。21世紀の今、ライフスタイルは大きく変わった。収入が右肩上がりに増える時代から、減少に向かっている。同社はその新しい現実のライフスタイルに合わせて、保険料を半額にしたいという思いからスタートしている。

 「これからの世代が安心して子供を生み、育てるためには"こういう生保商品でないと"と考えてサービスを作った。子育てをする若い世代をターゲットにしたのが死亡保険。死亡保険は残された子供の養育費プラス年収の3年分、すなわち残された家族が生活を安定させるまでの繋ぎと考えた。そして子供がいない人では、死亡保険は不要、でも働けない状態が続くと生活再建が難しくなることがある。そこに的を絞ったのが"就業不能保険"」

 ライフネット生命の立ち上げには、さまざまな苦労があった。特に課題となったのは知名度向上策だったと出口氏は言う。親会社のない独立系生保会社で、かつネット専業のため、潜在顧客が名前を知って検索するなどして同社のサイトに辿り着き、サービス内容を読んでもらわねば契約に至らないのだ。そこで出口氏は、知名度向上のために、いろいろな工夫をしている。その一環となるのが、twitterやfacebookでの発言、そして講演や執筆活動だ。これらの活動にも、出口氏が学んできたことが生きているのは、言うまでもないだろう。


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