野呂氏は、「トラブルはあなたに起こっているわけではない。会社がトラブっているだけ、プロジェクトがトラブっているだけで、あなたがトラブっているわけではない。問題は仕事であって、あなたではない。恋愛の問題は"あなた"に問題がある場合が多いけど、仕事の問題は別である」と話す。
まずは仕事と自分を切り反して考えること、社員1人が何かしたくらいで会社は倒産しない。ただしテレビ番組を作るには、スポンサーから数億円のお金が動いているので、いかにスポンサーを怒らせない番組を作るかが重要になる。そのためには「とにかく考えること。冷静に考えてみることだ」と野呂氏は言う。
「重要なのは、すべてを"作戦"に変えること。怒らせた上司をなだめる作戦。謝り方の作戦。スケジュールをリスケする作戦。首にならないようにごまをする作戦。社長の機嫌を直す作戦。先日ある外国人クライアントを怒らせてしまったので、"ガリガリ君"を30本買って行ったら笑って許してくれた。コストもかからず、アイスなので溶けないうちにみんなに配り、和気あいあいとした雰囲気になった。作戦成功だ。」(野呂氏)。
野呂氏は、「仕事は仕事と割り切る。仕事は人生ではない」と言う。仕事は金儲けの仕組みと割り切ることだという。また野呂氏は、「人間の欲求は、食欲、物欲、性欲、睡眠欲であり、仕事はない」と語る。さらに野呂氏は、「仕事とビジネスは別物。ビジネスはもうけなければならない。日経ビジネスはあるが、日経仕事はない」と笑う。
「まずはなりきること。今日も放送作家、敏腕コンサルタントになりきっている。プレッシャーを楽しむことが重要」と野呂氏は言う。「貧乏な格好のとき月収2万円だったのが、ブランドスーツを着ていくと月収150万円になった。できそうに見えることが大切。ある登山家は、最初から8000メートル級にしか上らない」(野呂氏)。
大きな仕事だから初心者ができないわけではなく、最初から大きい仕事を狙うべきだという。野呂氏は、「徐々に出世を狙わない。いきなり頂点を狙う。能力は後からついてくる。自分の中でゴールを明確に決めておくことも必要になる。小さな仕事を断る勇気も必要だ」と話している。
「うまくいく仕事なら人には頼まずに自分でやってしまう。お金を払ってまで人を雇って仕事をさせるのは、難しいから。うまくいくものと思うと失敗したときに落ち込むので、うまくいかないものにチャレンジしていると考えると大丈夫。うまくいかないからチャレンジすべきである」(野呂氏)。
失敗したからといって会社で死ぬ人はいない。野呂氏は、「失敗して上司に怒られても殺されることはない」と話す。「ボクの場合、ビリが好き。ビリは上がっていくだけ。会社でアイドルを探す。ケンカをしない。悩まない、考えるだけ。とりあえず電話に出る。とりあえずビールを飲む。1つの会議ごとにスッキリ!する」と野呂氏。
最後に野呂氏は、「何でもいいから"欲"を持つ。お金持ちになりたい、家がほしい、彼女がほしい、何か欲があれば乗り越えられる。年収を倍にすることを真剣に考えるとモチベーションが向上する。そして、頭と、仕事と、体を切り離して自由になること。多くの人は怒られると自分を否定されている気になるが、"怒られているのはオレの体だけ"と思える。頭では、とりあえず聞いておこうと思えば大丈夫。仕事がうまくいかなくて会社に殺される人はいないと思えれば怖いものはなくなる。1つひとつの仕事をどんどんスッキリさせて、トップを目指してほしい」と話し、講演を終えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授