経済社会は、製造産業経済から情報知識経済へと移り変わり、さらに感性創造経済へと進化しようとしている。21世紀は企業にとって、技術力、価格競争力に加え、"知的感性"の力が最も重要になる。
アイティメディアが開催している「ITmediaエグゼクティブ勉強会」にクレディセゾンの社長である林野宏氏が登場。知的感性時代の革新型リーダーに求められる能力を測る新しいビジネス指標「B.Q.」に基づいて、「"感性"を高めて知的感性社会を乗り越える!」と題した講演を行った。
林野氏は、「21世紀がどのような時代になるかを考えたときに、アジアの世紀になると考えている」と話す。その理由は覇権国家の盛衰にある。覇権国家の盛衰は、トルコからスペイン、オランダ、フランス、イギリス、米国、日本、そしてまた2007年のサブプライム住宅ローンで米国と移り変わっている。「バブルが起きたところに覇権が移る。米国の次は中国か?」と林野氏は言う。
「アジアのポテンシャルがなぜ高いと思うかといえば、まずBRIICs(ブラジル、ロシア、インド、インドネシア、中国)の成長が挙げられる。BRIICsの5カ国は大半が世界全体の経済成長率を上回る伸び率であり、世界経済のGDPの21.4%を占めている。BRIICsに対し、海を挟む日本は地理的に有利。英国と欧州の関係に似ている」(林野氏)。
またベトナム、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアなどのインドシナ半島諸国およびインドネシア、フィリピンなども台頭しており、ASEAN諸国との関係が日本にとって有利に働くことが期待されている。
経済社会は、製造産業経済から情報知識経済へと移り変わり、さらに感性創造経済へと進化しようとしている。林野氏は、「21世紀は企業にとって、技術力、価格競争力に加え、"知的感性"の力が最も重要になる。時代、社会、人の心の変化を迅速に察知し、新たな価値を創造できる"人"こそ主役であり、企業にとっても最大の資産となる」と話す。
「先日、スマートフォンを購入したが、説明書がついていないことに驚いた。日本では説明書のない製品は市場に投入できない。しかし、ついてくる説明書は、難しくて使い物にならないのが実情である。スマートフォンは、小さな子供でも説明書なしに直感的に使える。スティーブ・ジョブズは感性の物作りであり、技術の物作りではない」(林野氏)。
高度経済成長期はモノを作れば売れる時代であり、マーケティングは必要なかった。しかし現時点では、マーケティングとマネージメントが企業に求められている。さらに社会の変化により、マーケティングでは勝負に勝てない時代になり、市場競争はイノベーションの時代へと移り変わろうとしている。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授