AppleがモバイルOSの最新版「iOS 8」を発表。一般には今秋に公開する。クラウドストレージ「iCloud Drive」や、インテント、サードパーティ製IME解禁を含む多数のAPI公開などが目玉だ。
米Appleは6月2日(現地時間)、モバイルOSの最新版「iOS 8」を発表した。開発者向けβ版は同日リリースされ、一般には今秋に公開する予定。
対応端末はiPhoneが4S以降、iPadが2以降(iPad mini含む)。
「iCloud Drive」は、モバイル端末やPCなどでファイルを共有できるクラウドストレージサービス。5Gバイトが無料で提供され、さまざまなファイルをiPhone/iPad、Mac、Windowsで共有でき、ファイルのアップロードはPCではDropboxなどと同様、フォルダへのドラッグ&ドロップで行えるという。
メール受信などを伝える通知機能はインタラクティブになり、メールの受信やFacebookのコメントの通知などからそのまま返信を入力するといったことが可能になっている。ホームボタンの2度押しで現れるマルチタスク画面では、最上部にFaceTimeの通話履歴が表示され、ワンタップでFaceTime会話を行えるようになった。
写真機能では編集機能が強化され、明るさや色合いなどを直感的に調整できるようになっている。写真の傾き補正や、Instagramt的なフィルターで写真に効果をつける機能も加わる。
カメラにはインターバル撮影機能が加わる。iPhoneを固定し、「Time-lapse」モードにすると、ユーザーが設定した長さの間、定期的に自動撮影を行う。雲の動きなど、時間を圧縮したようなダイナミックな動画を撮影することができるモードだ。
写真の検索機能が強化されており、撮影日や撮影場所などから見たい写真を見つけ出すことができるという。
iTunes Store/App Storeで購入した音楽、映画、アプリを家族6人まで共有できる「Family Sharing」機能が加わった。共有は家族のApple IDとパスワードなどは不要で行うことができるという。子どもが自分のiOSデバイスからコンテンツを購入することを、親のiOSデバイスから許可/不許可できる機能も備えた。
フォトストリームによる写真の共有や、カレンダーによるスケジュールの共有など、家族による情報共有も容易になっているという。家族がなくしたiOS端末を見つける機能などもある。
アプリ開発者向けに4000超の新APIを公開。さまざまなコンテンツの共有を簡単に行える、Androidのインテントと同様の機能が追加されたほか、写真編集機能や指紋認証「Touch ID」機能などをサードパーティ製アプリで利用することが可能になった。通知センターにウィジェットを表示したり、アクションボタンで行える機能をカスタマイズすることも可能だ。
サードパーティ製キーボードのインストールも可能に。好みのインプットメソッド(IME)を使えるようになるとしており、日本語版では「ATOK」や「Google日本語入力」など、サードパーティ製日本語IMEを選んで利用できる可能性もありそうだ(現時点では対応を表明している日本語IMEはない)。
またiOSとMac OS X向けアプリ開発用の新プログラミング言語「Swift」が公開された。
Siriには新たに、音楽情報検索アプリ「Shazam」の技術が統合され、音声による音楽検索からiTunesで音楽を購入する、といったことが可能になる。
IMEをサードパーティに開放する一方、オリジナルのIMEも改善。予測変換機能は大幅に強化され、テキスト入力を蓄積し、メールなら送信相手によって予測するワードを合わせたりすることでよりスムーズな入力を支援するという。日本語を含む14カ国語に対応する。
メッセージアプリでは、その場で録音/撮影した音声や動画を添付して送れるようになった。自分がどこにいるのか、相手に一時的に地図上で知らせる機能も。
うわさされていた健康管理アプリ「Health」が登場。消費カロリーや睡眠時間などさまざまな健康情報を管理でき、アプリから医療機関に相談するといったことも可能だ。健康情報をモニタリングするウェアラブルデバイスの発表はなかった。
またスマートホーム向けAPIも発表。Siriによる音声認識の統合などが可能になっている。
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