仕事の中での決断は目的に合わせて効果が高いか、合理的かを考えればそれでいい。ではなぜ悩むのか?
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どのような商品を開発するか、どういうサービスが必要かといったことから、会議日をいつに設定するのか、ということまで、仕事をしていれば、大なり小なり、決めなければならないことが出てきます。
では、どうやって決めればよいのか。その方法を『早く正しく決める技術』(日本実業出版社刊)でまとめました。ここでは、その一部を紹介します。
実は仕事の中での決断は、プライベートの場合に比べて決して難しくはありません。仕事には、それぞれに明確な目的があります。迷ったらその目的に照らし合わせて、どちらがより効果が高いか、合理的かを純粋に考えればそれでいいのです。
「迷ったら、どちらのほうがベネフィット(便益)が高いかを考える」のは仕事の鉄則です。事業にとってマイナスのものを選ぶ理由は何ひとつありません。
では、なぜ悩むのか。決めたとしても、なぜ、正しい解にたどりつけないのか。その理由は「余計なこと」を考えてしまっているからです。
例えば、ある企画を上司に提案したとします。そのとき、こんなことを考えていないでしょうか?
これらはいずれも、正しい決断を邪魔する「余計なこと」です。本来の仕事の目的に関係がない私情や社内のポリティックスによって、まともな判断ができなくなってしまっているのです。
どんなに迷う人でも、決めるルールさえ正しく決めてしまえば、実はあとはそう大変なことではありません。社内で正しく決めるためのルールとして第一にお勧めしたいのは、「数字・ファクト・ロジックで話し合う」ということです。
数字とはデータのこと、ファクトとはデータに関連する事項や過去の事実のこと、ロジックとは、そこから実証的な理論を組み立てることです。
例えば、ものすごく単純な例をあげると、
<あるレストランの例>
一見、この決断は正しく見えますが、この数字をより細かく見ていって、「子どもといっても、中学生以上が多い」と分かれば、単純に子ども向けメニューを増やすことは決して得策ではないことが分かります。
ロジックは、例えばy=f(x)のような関数式になぞらえることができます。x(ロジックを支える変数)が「子どもの数が増えた」というだけの場合と、x1として「子どもの数が増えた」、x2が「実は中学生以上が増えた」という場合を比べてみてください。y(ロジックによって導かれる結論)は、xの数が多い分だけ、より精緻になることが分かるでしょう。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授