このように数字やファクトをいかに丁寧に積み上げるか。数字やファクトとして、何をどのくらいもってくるのか、で、ロジックの精度を検証することがとても大切です。
例えば議論をするときも、お互いの数字・ファクト・ロジックを出し合えば、どちらの考えが甘いかはすぐに分かります。
僕が持ってきたデータが10年分で、僕のパートナーである社長・COOの岩瀬が持ってきたデータが3年分しかなければ、単純に岩瀬が甘いといえるかもしれませんし、逆に「環境が変化したので、古いデータは役に立ちません」と、その意見を補強するデータを持って来ているのなら僕のほうが甘いのかもしれません。
極論すれば、y=f(x)でxの量と質をどこまで広く深く考えているかを見極めればいいだけの話ですから、ふたりで結論を導き出すのは意外と簡単なことなのです。
これは決して僕のオリジナルの特別な考え方ではなく、全世界共通のビジネス上のルールともいえるものです。世界の一流企業には、国籍も文化も価値観もそれぞれに異なるさまざまな人が集まっています。それなのに、一般的に外国の企業のほうが、日本企業より意思決定が早いのは、「数字、ファクト、ロジック」というルールがあるからではないでしょうか。
「決められない」人がいたとしたら、それはただルールを知らないだけなのです。
具体的な方法は本書にゆずりますが、今後「自分のアタマで考えて、仕事をしていきたい」という方は、ぜひ「数字、ファクト、ロジック」を意識して考えるようにしてみてください。
ライフネット生命保険株式会社会長兼CEO。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。1988年に生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長に就任し、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2005年に退職。東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師、慶應義塾大学講師などを務め、2006年、ネットライフ企画株式会社(2年後、現社名に商号変更)を設立、代表取締役就任。2013年より現職。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授