だから会議は意見が出てこない! 上司が言ってはいけない最大のNGワードビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

会議で意見が出ないと嘆く前に、意見を出しやすい環境になっているか。不完全なアイデアをみんなで知恵を出し合い、良いアイデアに育てていく場と捉えてみてはいかがだろうか。

» 2014年06月12日 08時00分 公開
[齊藤正明,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。


 私はいろいろな企業で、会議に関する研修を行っていますが、そのなかでも一番多い会議の悩みは、「意見が出てこない……」という相談です。そこで今回は、『出席者から意見がたくさん出て、さらに、いいアイデアが生まれる会議のやりかた』について教えます。

言いがち! でも、絶対言ってはいけないNGワード

そうか!「会議」はこうすればよかったんだ

 「会議をやっても、ウチの若手、頭使ってないから意見なんて、全然出てこないんだよなぁ〜」と、嘆いている上司は、実はその人が原因で、意見が出てこなくなっている可能性が高いです。

 言いがちなのですが、会議では絶対に言ってはいけない言葉があります。それは、「君たち、何か良いアイデアはないかな?」です。なぜならば、こう問いかけられると、部下は心のなかで、次のように思ってビクビクしてしまうのです。

  • 「オレ、一応、意見は持っているけど、これ、上司が言う“良いアイデア”に入るのかな?」
  • 「前、意見言ったら、即、否定されて恥ずかしい思いをさせられたから、今度も同じ目に遭わされるよなぁ……。無難に様子を見るか」

 「君たち、何か良いアイデアはないかな?」という発言は、上司としては何の気なしに発言をしていても、部下からすると、「良いアイデア以外は言っちゃいけないんだ。でも、合格点に達するほどのいいアイデアかは自信がないなぁ」と恐れられている、非常にハードルが高い問いかけになってしまっているために、会議が進まないのです。

99%の会社がやっていない、会議の質を飛躍的に向上させるコツ

 では、どうすればいいのか? ここで、「99%の会社がやっていない、会議の質を飛躍的に向上させるコツ」を教えます。

 それは、「意見を出すだけ出す時間」と「その出てきた意見から、ひとつに絞る時間」に分けて話し合うのです。たいていの会議では、この2つがゴチャ混ぜになっています。すると、どうなってしまうのか? 誰かが、「こんなイベントやったら、お客さまに喜ばれるんじゃないですかね?」と意見を言えば、他の誰かが「君ね、そんなイベントやったらお金いくらかかると思ってるの? もっと考えてから言ってよ」と、迎撃ミサイルのように批判してしまっています。

 これを繰り返されると、「下手に意見を言うと、絶対に文句言われるゾ。だったら、言わないほうがマシだ……」と思うようになり、シーンとした会議になるのです。会議は確かに、いいアイデアを募るためにやっています。ただし、簡単にすぐ、良いアイデアが出せるのであれば、どの会社も儲かっています。

 会議を開くうえで必要な覚悟は、「一発で良いアイデアが出ることは期待せず、不完全なアイデアを、みんなで知恵を出し合い、良いアイデアに育てていく場なんだ」という、気長に待つ忍耐力と言いますか、一種の諦めの心です。

「では、どうやって、不完全なアイデアを良いアイデアに育てるのか?」。それこそ、先ほど話した、「意見を出すだけ出す時間」と「その出てきた意見から、ひとつに絞る時間」に分けて話し合うことなのです。

「意見を出すだけ出す時間」のやりかた

 まず、「意見を出すだけ出す時間」では、意見の「質」は問いません。とにかく「量」を出させましょう。そのためには先ほど話したとおり、司会者は、「君たち、何か良いアイデアはないかな?」と、ハードルの高い問いかけはいけません。

 代わりに、「思いついたことがあれば、遠慮なく言ってほしい」と伝えましょう。当然ですが、こう言った以上、どんな意見でも批判をしてはいけません。

例えば、非現実的な意見が出たときには、「おもしろいアイデアだね!」と、褒めましょう。現実的すぎて、面白味のない意見が出たときには、「手堅いやり方だね。それも、ひとつの手だね」と、褒めましょう。議題と脱線するような意見を言う人にも、「君、この会議の主題は理解しているのかね?」と、場を盛り下げるようなことは言わず、「わっはっは! 思わず笑ってしまった。さて、また話を元に戻そうか」と、やんわりと軌道修正をしましょう。

 「意見を出すだけ出す時間」では、とにかく場を盛り上げることを考えて、ドンドン意見を言わせればいいのです。「くだらないアイデア」や「欠点のあるアイデア」でも、それが名案を生み出す種になり、徐々に良いアイデアに育っていくのです。こうして、意見を出させて、「もう、意見が出尽くしたな」という雰囲気になったら、次の「出てきた意見から、ひとつに絞る時間」に移ります。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆