一緒に仕事をするなら結果を出している人。「あなたと仕事をしたい」と思ってもらうにはどんな話し方がいいのか?
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結果を出す人と出せない人の別れ目は、話し方です。
私は仕事を依頼される時に、「この仕事をすると儲かりますよ」という話は全部断ります。
例えば、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットのような結果を出している人に「あなたと仕事をしたい」と思ってもらえることが大切なのです。ビル・ゲイツに「この仕事は儲かりますよ」と持ちかけても、受けてもらえません。
仕事を頼みに行った人が結果を出すには、もうすでに結果を出している人とコラボして一緒に仕事をしてもらえることが大原則です。「この仕事は儲かりますよ。誰かしませんか」と誘うと、結果を出していない人が集まります。
結果を出していない人が一番求めるのは、儲けることです。結果を出していない人とコラボをしても、結果は永遠に出せません。
その仕事は必ず失敗します。
結果を出している人とコラボしてもらおうとしても、「儲かりますよ」と言った時点で、「この人は儲けたことがないんだな」と分かります。その誘い方は、すでにチャンスを失っているのです。
講演会の依頼で、「こうするとお客様がたくさん集まって、先生のブランドイメージがアップしますよ」と言われることがあります。そう言うことで相手がのってくるという思い込みがあるのです。
これは、ある意味失礼な表現です。ところが、言っている側は失礼とは思っていません。そういう人に限って専門がマーケティングで、「相手はこれを求めているだろう」と思い込んで仕事を依頼します。
ウォーレン・バフェットに「この仕事をすると儲かりますよ」と言うのは、マーケティング的に間違っています。「さんざん儲けているから、儲けには興味ない」と思っている相手に、「まだ儲け足りないと思っているの?」というマイナスの印象を与えてしまうからです。
実際、世の中では、結果を出している人同士が仕事をしています。結果を出していない人同士も仕事をしています。今結果を出していない側にいる人にとって大切なのは、結果を出す人といかに仕事をしてもらえるかです。もちろん、赤字を出さないことは重要です。
相手が「この人と仕事をしてみよう」と思うかどうかは、誘われ方次第です。どのように誘うかで、誘っている人の意識のレベルが見透かされます。相手に「こういうメリットがあります」と言うことも必要です。そのメリットは、お金以外のもののほうがより印象がよくなるのです。
いい人なら、結果を出す人に話を聞いてもらえるというわけではありません。
いい人の話し方は、正確です。ところが、正確に話すと分かりにくいのです。分かりやすい話は、本当は話の正確さを欠いていることもあります。学者やお医者さんの説明が分かりにくいのは、正確に話そうとするからです。
話をザクッと切り捨てることができないのです。
結果を出す人の仲間入りをしたいと思うなら、まず正確さよりも分かりやすさを優先することです。分からない話は、徐々に正確さを増していくことができます。
最初に分からない正確な話は、1つも分かるようにはなりません。正確で、かつ、分かりやすいというのはムリです。
この典型例は、地図です。まじめな人の地図は分かりにくいです。地図は、ウソを書かないと分からないのです。世界地図が分かりやすいのは、大ウソだからです。世界地図は、3次元の地球を2次元に表現しています。グリーンランドがあんなに大きいわけがありません。インドは、実際はもっと大きいです。
世界地図は、2次元では正確に表現できないのです。「地図を書いて」と言われた時に、細かく書きすぎて、いらない情報まで入っていると、分かりにくい地図になります。
企画書でも、正確さを優先すると分かりにくくなります。「正確さ」は、意図がありません。正確な情報の地図は、どこを訪ねてもいいようにできています。不特定多数のフリーサイズの服と同じです。
「分かりやすさ」は、「今相手にとって何が大切か」という意図があります。これが、「正確さ」と「分かりやすさ」の違いなのです。
例えば、「○○への行き方を教えてください」と言われました。その時の地図は、○○にたどりつければいいのです。ポイントとなる曲がり角のコンビニが書かれていればOKです。それ以外のコンビニを書く必要はまったくありません。「ここで安売りをしている」というスーパーの情報もいらないのです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授