「自分は優秀なのに選ばれない」とグチをこぼしている人。これは優秀な人の定義が間違っているからだ。優秀イコール能力があるではない。では選ばれる人とは?
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「自分は優秀なのに選ばれない」とグチをこぼしている人がいます。これは「優秀な人」の定義が間違っています。「優秀な人」イコール「能力がある人」と思っている人は、自分より能力的に劣っている人が選ばれた時に、
「あの人は上司に好かれているから」
「あの人は運がいいから」
「あの人は若いから」
「あの人はかわいいから」
と、解釈してしまいます。
これを続けていると、いつまでも選ばれる人にはなれません。
まず、「優秀な人」の定義を変えることです。「優秀な人」とは「選ばれる人」です。優秀なのに選ばれないということは、ないのです。選ばれないのは、優秀ではないということです。その時の差は、運やルックスではありません。大切なのは、あの人が選ばれて、自分は何が足りなかったのかと考えることです。
それを分析することで、次に選ばれる可能性が1%でも上がっていきます。運のせいにしないで、まずは選ばれる工夫をすることが大切なのです。
選ばれるためには、どうしたらいいのでしょうか。
選ばれない人は、
「能力を伸ばすこと」
「自分の強みをつけること」
「ほかの人にないオンリーワンのものを持つこと」
と、答えます。
選ばれない人は、いいかげんな人ではありません。一生懸命頑張って、競争相手にない自分の強みを磨こうとします。強みを持っていれば選ばれるかというと、そんなことはないのです。
例えば、サッカーで今日の試合の選手として選ばれる人は、サッカー選手としてすぐれている人ではありません。監督の今日のゲームプランが分かる人です。
まず、監督や上司の狙いを酌み取ることです。自分の強みをアピールするだけでは、ますます上司の狙いから離れていきます。
映画やドラマの監督には、
(1)役者のやりたいようにさせる監督
(2)監督のプランどおりに役者を動かす監督
の2パターンがあります。
(2)のタイプの場合、役者が「オレはこんなふうに演技プランを考えてきた」と言うと、次からは呼んでもらえなくなります。私が役者として現場に行く時は、まず、監督がどちらのタイプかを見きわめます。監督の狙いどおりのものを求められたら、そのとおりにします。時々、自分の台本に真っ黒になるぐらい書込みをして、一生懸命演技をつくってくる人がいます。本人は頑張っていますが、全体のハーモニーは壊れます。
オーケストラの演奏でも同じです。仕事においても、監督や上司の狙いを把握した人が選ばれるのです。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授