「Seiji's BAR」で社員をお・も・て・な・し――コミュニケーションが企業変革の鍵ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(1/4 ページ)

会社を変革するためには、会社の戦略を社員に広く周知徹底することが必要。そのためには、経営陣と社員のコミュニケーションが重要になる。コミュニケーションにより、いかに会社を変革できるのか。その手法を紹介する。

» 2017年02月13日 07時13分 公開
[山下竜大ITmedia]

 ITmedia エグゼクティブ勉強会に、SMFLキャピタル 代表取締役社長兼CEOである安渕聖司氏が登場。「コミュニケーションで会社を変える」というテーマに対し、グローバル企業で培った経験やノウハウ、ベストプラクティスを生かした、6つのパターンによる社員とのコミュニケーション手法を紹介した。

コミュニケーションを重視するSMFLキャピタル

SMFLキャピタル 代表取締役社長兼CEO 安渕聖司氏

 SMFLキャピタルは、1999年より米国GEの金融事業部門であるGEキャピタルの日本における中核会社として、総合的な金融サービスを提供してきた日本GE(GEキャピタル)が前身で、2016年4月に三井住友ファイナンス&リース(SMFL)グループに加わったことにより、2016年9月5日付で社名を現在のSMFLキャピタルに変更している。

 安渕氏は、「SMFLキャピタルの最大の特長は、フラットでカジュアルな組織であること。社長や部長といった役職や上下関係をあまり意識しない組織であり、すべての役員、社員が"さん付け"で呼びあっている。また、一般的な日本企業の雇用はメンバーシップ型だが、「私は何をやる人です」ということが明確なジョブ型の雇用であることも特徴の1つ」と語る。

 採用・評価の大原則として、性別、年齢、宗教、人種などを判断基準とはせず、WhatとHowの2軸による実力主義で社員を評価・育成している。売上達成などの業績目標(What)の評価と、どうやって目標を達成するか(How)という行動基準の評価の2軸が評価基準である。

 もともとの会社であるGEの創設者は発明家のトーマス・エジソンで、イノベーションやテクノロジーを会社として大切にしている。変化と新しいアイディアや技術に対しても非常にオープンで、どんなことが出来るのか試してみる、例えば、仕事のデジタル化に会社全体で取り組んでいる。ダイバーシティーを重視するのみならず、働き方に関してもリモートワークを活用し、在宅勤務も可能で物理的に全員がオフィスに集まらなくても仕事ができるよう柔軟に働くことを推奨している。社会への視点を持ってもらうべく、ボランティアを行うボランティア組織を持っている。その他にコンプライアンスを超えるインテグリティを重視している。(ご参考までに、会社の規模は、約1100名程度の社員数。)

 「このような企業文化を実現するためにもコミュニケーションの役割は非常に重要。そして、このような土壌に基づいて、さらにコミュニケーションを進めて、変化を促進している。」(安渕氏)

6つのパターンの社員とのコミュニケーション

 SMFLキャピタルが取り組む社員とのコミュニケーションには、以下の6つのパターンと11種類の手法がある。

1、多数に伝える

 - CEOメッセージ/CEOブログ

 - 全社員ミーティング

2、多数の意見を聴く

 - マネジメント・キャラバン

 - 社員オピニオン・サーベイ

3、多数×多数

 - 「Seiji's BAR with マネジメント・チーム」

4、少数に伝える

 - 研修プログラムでのリーダースピーチ

 - 表彰/褒賞プログラム

5、少数の意見を聴く

 - ラウンドテーブル・ミーティング

 - アシミレーション

6、1対1

 - ワン・オン・ワンミーティング

 - 評価のフィードバック

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