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» 2017年03月30日 07時35分 公開

優れたビジョンとやり抜く覚悟があればブルー・オーシャンはどこまでも続く早稲田ブルーオーシャン戦略研究所設立記念シンポジウム(2/2 ページ)

[山下竜大,ITmedia]
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食と医療のブルー・オーシャン戦略

 パネル2では、相模屋食料 代表取締役社長の鳥越淳司氏、日本経営 代表取締役社長の平井昌俊氏、ネスレ日本 専務執行役員兼CMOの石橋昌文氏の3人をパネラーとし、早稲田大学大学院 経営管理研究科 准教授の池上重輔氏をモデレーターとして、「食と医療のブルー・オーシャン戦略」をテーマにパネルディスカッションが行われた。

右から相模屋食料 鳥越社長、日本経営 平井社長、ネスレ日本 石橋専務、早稲田大学大学院 経営管理研究科 池上准教授

 豆腐業界初の売上高100億円を達成した相模屋食料は、伝統的な木綿と絹豆腐はもちろん、機動戦士ガンダムとコラボした「ザクとうふ」、女性向けの「ナチュラルとうふ」などの革新的な商品を提供している。日本経営は、医療や介護に強みを持ったコンサルティングファームとして経営から現場までをサポート。ネスレ日本は、「ネスカフェ アンバサダー」制度の確立で、企業におけるコーヒーの新たな需要を拡大している。

 まず池上氏は、「現在、競争状態にある企業のすべてがブルー・オーシャンを目指す必要があるのかといえば必ずしもそうではない。大事なのは、ブルー・オーシャンを正しく理解することである。それではブルー・オーシャン戦略は、どんなときに使えるかを聞かせとほしい」と最初のテーマを提示した。

 石橋氏は、「コーヒーを家庭やカフェで飲んでいる人は、オフィスでは自動販売機やコンビニで買うしかなく、手軽に本格的なコーヒーを楽しむ手段がなかった。家庭でコーヒーを飲んでいる人たちはすでに顧客ではあるが、オフィスという場所では新たな顧客になる。また、オフィスでコーヒーを飲んでいなかった人が新たな顧客になることもあり、ここで飲んだコーヒーがおいしかったので家庭向けに購入する人も出てきていて、さらに新たな市場を形成している」と話す。

 また平井氏は、次のように語る。「コンサルタントとして、さまざまな戦略論を展開している。医療現場では、病院の売り上げを伸ばすということは、医療費を増やすことになるので、いかに良質な医療で医療費を削減できるかにつきる。もう1つ、地域で競争するのを止め、機能を分担することで、地域としてブルー・オーシャンを目指している」

 鳥越氏は、「豆腐屋の世界は、多くが伝統的な豆腐しかないと思い込チャレンジする会社が少ないので、もともとブルー・オーシャン。そこで戦略的に難しく考えず、感覚的にやりたいこと、楽しいことをやる方が成功できると感じた。いろいろなところにブルー・オーシャンは存在しているので、目の前のこれだと決めたことをやり抜くべき」と言う。

 次のテーマとして池上氏は、「ブルー・オーシャン戦略は、自社の位置づけで変化する。競争がないからブルー・オーシャンではなく、レッド・オーシャンで適切に競争したほうがいい場合もある。会社全体の戦略が効果的な場合と、製品ごとの戦略がいい場合もある。この点をいかにマネージするかが悩ましい。そこをどのように判断したのか」と提示する。

 石橋氏は、「コーヒーマシンの販売拡大を考えたとき、オフィスでのモニターを100人募集したら 1週間で2000人の応募があり、担当が貸し出した200人にヒアリングを行いオフィスでの需要を確信した」と言う。平井氏は、「クライアントである亀田総合病院は"Always Say Yes!"という理念に基づき、どんな患者さんも受け入れ、治療することで、多くの病院が赤字の中でも黒字化している」、鳥越氏は、「豆腐業界には大規模になってはいけないなど独自の常識があり誰も挑戦しなかったのが売り上げ以上の投資をして工場を作り、“圧倒的”にやることを目指した。ただし効率を上げて大量生産ではなく、おいしい豆腐を徹底的に作ったので成功した」と話す。

 最後に池上氏は、「40分ではブルー・オーシャンは語りつくせないことが分かったが、何か糸口をつかんでもらえたのでは」とパネルディスカッションを締めくくった。

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