「理不尽なこと」もあるのではなく、「理不尽でないこと」も、たまにあるのだ。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
一流のリーダーは、理不尽に強い人です。そのチームで、最も理不尽に強い人が、リーダーになります。リーダーは、スタッフと付き合うのでもなく、お客さまと付き合うのでもなく、お金と付き合うのでもありません。
リーダーは、理不尽と付き合っているのです。
リーダーをしながら、理不尽だとキレているようでは、リーダーは務まりません。「理不尽だ」と言って騒いでいる人は、ひと言でいうと、「ラーメン屋さんで順番を抜かされた」と怒っている人です。
理不尽とは、「理にかなっていないこと」ではありません。「自分が他の人と比べて損害をこうむったこと」を理不尽と言っているのです。その証拠に、自分の方が順番より早く来た時は理不尽とは言わないで、「運がいい」と解釈します。理不尽が、いかに自分勝手な言葉かということです。
いい大人が「損をした」と騒ぐのは、みっともないことは分かっています。理不尽と言うと、何となく筋道が通っているように思えます。それは、「損をしたこと」を「理不尽」と言い変えているにすぎません。実は「ラーメン屋さんで順番を追い越された」と怒っているだけなのです。まずは、そこに気付くことが大切です。
そこで「お先にどうぞ」と思えるようになると、理不尽に対して強くなります。理不尽をもとにメンタル力が強化されるのです。理不尽は、人間のキャパと器が大きくなるトレーニングです。
全ての人が理不尽を感じています。それを乗り越えることができるかできないかで分かれるのです。「お先に、どうぞ」と言いましょう。
ラーメン屋さんで順番を抜かされて、「追い越された」と騒いでいる人がいます。それは自分の知っている範囲で追い越されただけです。先にラーメンが出てきた人は、店に電話をかけて「急ぐので先に作っておいて」と頼んでいた可能性もあります。そんなことは知らずに、「何であの人だけ先に出てくるんだ」と、文句を言ってしまうのです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授