理不尽が多い人ほど、うまくいくビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

「理不尽なこと」もあるのではなく、「理不尽でないこと」も、たまにあるのだ。

» 2018年07月26日 08時25分 公開
[中谷彰宏ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


笑って追い越されることで、自信がつく

『「理不尽」が多い人ほど、強くなる。』

 一流のリーダーは、理不尽に強い人です。そのチームで、最も理不尽に強い人が、リーダーになります。リーダーは、スタッフと付き合うのでもなく、お客さまと付き合うのでもなく、お金と付き合うのでもありません。

 リーダーは、理不尽と付き合っているのです。

 リーダーをしながら、理不尽だとキレているようでは、リーダーは務まりません。「理不尽だ」と言って騒いでいる人は、ひと言でいうと、「ラーメン屋さんで順番を抜かされた」と怒っている人です。

 理不尽とは、「理にかなっていないこと」ではありません。「自分が他の人と比べて損害をこうむったこと」を理不尽と言っているのです。その証拠に、自分の方が順番より早く来た時は理不尽とは言わないで、「運がいい」と解釈します。理不尽が、いかに自分勝手な言葉かということです。

 いい大人が「損をした」と騒ぐのは、みっともないことは分かっています。理不尽と言うと、何となく筋道が通っているように思えます。それは、「損をしたこと」を「理不尽」と言い変えているにすぎません。実は「ラーメン屋さんで順番を追い越された」と怒っているだけなのです。まずは、そこに気付くことが大切です。

 そこで「お先にどうぞ」と思えるようになると、理不尽に対して強くなります。理不尽をもとにメンタル力が強化されるのです。理不尽は、人間のキャパと器が大きくなるトレーニングです。

 全ての人が理不尽を感じています。それを乗り越えることができるかできないかで分かれるのです。「お先に、どうぞ」と言いましょう。

理不尽とは、理がないことではない。理が、理解できないことだ。

 ラーメン屋さんで順番を抜かされて、「追い越された」と騒いでいる人がいます。それは自分の知っている範囲で追い越されただけです。先にラーメンが出てきた人は、店に電話をかけて「急ぐので先に作っておいて」と頼んでいた可能性もあります。そんなことは知らずに、「何であの人だけ先に出てくるんだ」と、文句を言ってしまうのです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆