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» 2018年08月30日 08時17分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:油まみれの鉄工所がなぜ、ディズニー、NASAから認められたのか? (1/2)

毎日同じ製品を大量生産していた町工場は、「24時間無人加工の夢工場」へと変身。油まみれで働く社員は、一人もいない。

[山本昌作,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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油まみれの町工場から24時間無人加工の夢工場へ

『ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所』

 はじめまして。HILLTOP 代表取締役副社長の山本昌作と申します。私には、40年以上前から、変わらぬ夢がありました。

 「社員が誇りに思えるような“夢の工場”をつくろう」

 「油まみれの工場を“白衣を着て働く工場”にしてみせる」

 HILLTOP(以下、ヒルトップ)の前身は、1961年に私の父が創業した「山本精工所」。自動車部品を製造する小さな町の鉄工所(1971年に「有限会社山本精工」、1980年に「山本精工株式会社」に変更)でした。

 自動車メーカーの孫請けだった油まみれの鉄工所は、さまざまな試行錯誤の結果、今や、「多品種単品のアルミ加工メーカー」に脱皮しました。

 毎日同じ製品を大量生産していた町工場は、「24時間無人加工の夢工場」へと変身。今のヒルトップに、油まみれで働く社員は、一人もいません。ヒルトップのビジネスモデルは、従来のモノづくりとは一線を画しています。

 鉄工所でありながら、

  • 「量産ものは、やらない」
  • 「ルーティン作業は、やらない」
  • 「職人は、つくらない」

 といった型破りな発想を実現しているのが、ヒルトップの「夢工場」です。

 以前、本社に初めて来た人が言いました。「社員も経営者も、遊びながら仕事をしているようですね。ここは、まさに“遊ぶ鉄工所”ですね」

 「ここは何の会社? 鉄工所? ありえない!」といわれるヒルトップですが、れっきとした鉄工所です。

売り上げ、社員数、取引社数全て右肩上がりの理由

 しかし、日々遊んでばかりいるわけではありません。業界常識を一掃した生産システムによって、収益構造は大幅改善。利益率は、「20〜25%」までアップしました。

 一般的に、鉄工所の利益率は「3〜8%」ですから、この数字は業界水準を超える「驚異的な数字」なのかもしれません。この10年間、売り上げ、社員数、取引社数ともに右肩上がりです。

 取引先は国内だけでなく世界中で、2018年度末に3000社を超える見込みです。中にはウォルト・ディズニー・カンパニーやNASA(アメリカ航空宇宙局)、自動車配車アプリ「Uber」を運営するウーバー・テクノロジーズなど世界トップ企業も含まれます。

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