東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。
みそ、しょうゆと並び、昔ながらの素朴な味わいで根強い人気の塩ラーメン。最近では、ラーメン店の競争の加熱もあってか、各店が個性を発揮し、具材や麺など、細部にまで店主のこだわりが詰まった一杯が多く見受けられます。ここでは、その中でもぜひ味わってほしい塩ラーメンを厳選して紹介します。
まず紹介するのは、曙橋駅から徒歩2分ほどにある「鯛塩そば 灯花」。タイのアラからだしをとっているという「鯛塩そば」(800円)で注目を集め、メディアでも多数紹介されている人気店です。愛媛県宇和島から産地直送されたマダイからだしをとっているという淡麗スープは、タイのうま味が凝縮され、豊かな風味が口いっぱいに広がります。また、麺はストレート麺で、スープの優しい塩味との相性も抜群。チャーシュー、ネギ、メンマという、シンプルな具材にも、店主のセンスが感じられますね。この絶品ラーメンのスープをさらに楽しみたいのであれば、名物の「鯛茶漬け」(390円)も注文しましょう。ゴマだれで和えたタイの刺身がのったタイめしの上に、塩そばのスープをかけて食べるぜいたくなサイドメニューで、プリプリのタイと、口いっぱいに広がるタイスープの味わいに、おもわず笑みがこぼれてしまうことでしょう。その他、「鯛塩つけ麺」(900円)もおすすめです。
次に紹介するのは、新宿の路地裏にひっそりと店を構える「ソバ ハウス金色不如帰(こんじきほととぎす)」。2019年1月には、ミシュラン掲載店に仲間入りを果たし、世界で3軒目の一つ星を獲得しました。 ここで食べてほしいラーメンは、「真鯛と蛤の塩そば」(900円)。スープのベースには、2種類の塩(モンゴル岩塩と沖縄海塩)を使用しており、塩のうま味が、ハマグリとマダイの甘みを見事に引き立てています。イタリア産の白トリュフオイルや、ポルチーニ茸を煮込んだソースなど、こだわりの材料を加えて完成する一杯は、味全体に深みがあり、最後の一滴まで夢中になって平らげてしまうおいしさ。 店内には、カウンター7席しかないため、外まで続く行列に並ぶ覚悟は必至ですが、待つだけの価値は十分にあります。
最後は、荻窪駅北口から徒歩5分ほど、細い路地を進んだ先に現れる「函館塩ラーメン 五稜郭」を紹介しましょう。目印は、緑色ののれんと、レトロな外観。 ここでは、函館が地元の店主が提供する、本場の「塩ラーメン」(750円)を味わえます。スープは豚9割、鶏1割を材料に炊き込まれており、あっさりとしながらも奥行きのある味わい。北海道にある道南(どうなん)産の真昆布や、猿仏(さるぶつ)産のホタテなどからとったダシが、うま味を加えています。北海道の定番トッピング、がごめ(とろろ昆布)を加えれば、味の変化も楽しめるでしょう。 麺は、ストレートな細麺で、函館ラーメンの特徴でもある出口製麺を使用。サイドメニューの「いかめし」も人気なので、ぜひこちらも注文してみてください。どこをとっても地元のスタイルが追求された一杯には、店主の函館愛がたっぷり詰まっています。心をほぐす柔らかい味わいに、最後の一滴まで飲み干してしまうでしょう。
その他の詳しい情報は「東京、塩ラーメン15選」で紹介しています。シンプルで奥深い一杯を求め、さまざまな店を食べ歩いてみてはいかがでしょう。
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