リーダーの仕事は、時間を生み出すこと。そのためには仕事を速くする工夫をすること。どうすばいいのだろうか?
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リーダーの仕事は、時間を生み出すことです。仕事をすることは、工夫をすることです。工夫とは、具体的には速くすることです。工夫をするといっても、目的がないと、どうすればいいか分かりません。目的は速くすることです。
コピー1枚とるにも、速くする方法があります。どちら向きにすればいいとか、最終ページからとった方が後で並べかえなくて済むとか、いろいろ考えることができます。最終的には、きれいなコピーのとり方、分かりやすいコピーのとり方など、いろんなことに気付くキッカケが生まれるのです。
工夫の仕方が見つからない時は、とにかく速くすることを考えます。昨日と同じスピードだったら、工夫はゼロです。会社の仕事は、そんなに変わりばえのするものではありません。昨日も、一昨日も、3年前も同じ仕事をしています。ベテランも新入社員と同じ仕事をしているのです。
そこにどう工夫を加えるかです。そこに評価が入り、自分のモチベーションも生まれます。結果、工夫する人は速くなり、速い人はますます工夫するという正のスパイラルに入るのです。
同じことを、昨日より速くすることです。
今までの時代は、給料を2倍にするために、2倍長く働いていました。これが残業です。働き方改革の時代では、2倍長く働いている人は会社のお荷物になって、リストラに遭うのです。大切なのは、2倍速く仕事をして、余った時間で付加価値のあるものをつくることです。
今は生産性と付加価値がゴッチャに語られています。生産性と付加価値は別の議論です。
生産性を上げるということは、10時間かかる仕事を5時間ですることです。これは、あくまで手段です。最終目標は、余った時間、余った人員で付加価値をつくることです。
付加価値とは、ほかの人がマネできないことです。ここにしかない、オンリーワンのものをつくるのです。仕事にムダな時間をかけていると、オンリーワンの付加価値をつける時間は生まれません。
まずは、今、自分がしている仕事を2倍速くします。そして、あいた時間で未来へのタネをまきます。
日々の仕事に追われていると、不安が生まれます。不安を解消する方法は、唯一、未来へのタネをまくことです。未来へのタネをまくのは、宝くじを買うのと同じです。宝くじを毎日買っている人は、常にワクワクしています。未来への不安はありません。今日の仕事に追われていると、宝くじを買うヒマがないのです。
不安とは漠然としたものです。説明はできません。「私はこれからどうなるんだろう」という漠然とした不安は、「このままリストラに遭ったらどうしよう」「老後のお金をどうしよう」「急に病気になったらどうしよう」といったことで、最終的にはお金の不安につながるのです。
余った時間で、未来に種をまくことができるのです。
工夫とは「いつもの言葉」を変えることです。
講演の後で、よく「写真を一緒に撮ってください」と言われます。
その時に、
(1)すぐに人が集まる
(2)ダラダラして、なかなか集まらない
という2通りの場合があります。
その差が大きいのです。
主催者が「中谷先生と写真を撮りますから、皆さん早く集まってください」と言うと、永遠に時間がかかります。ダラダラしている集団は、右肩上がりになれない集団です。右肩上がりの人は、さっと集まります。企業でも勉強会でも、その人が右肩上がりか右肩下がりかは、さっと集まるかどうかで分かるのです。
「早く集まってください」と言われる人は、どんな先生が来ても、毎回同じようにダラダラしています。これは主催者の言い方が悪いのです。
「集まってください」と言うと、ダラダラします。
「ハイ、チーズ」と言うと、「あっ、もう撮るんだ」と思って、急いで来ます。
「早く集まってください」と言うと、「集まっていない人が大勢いるんだな。まだ行かなくていいな」という油断が起こるのです。
前の先生の講演が終わって、休憩後に次の講演が始まる場合は、大体の人が開始時間に席に戻っていません。ここで主催者が「まだトイレに行っている方もいらっしゃいますので、そろってから始めましょう」と言うと、なかなか戻ってこないのです。そういう時は、始めてしまうことです。始めると戻ってきます。
待っているだけでは、永遠に人は集まりません。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授