仕事が速い人が無意識にしている工夫ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

リーダーの仕事は、時間を生み出すこと。そのためには仕事を速くする工夫をすること。どうすばいいのだろうか?

» 2020年02月27日 07時03分 公開
[中谷彰宏ITmedia]
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工夫とは、速くすることだ

『仕事が速い人が無意識にしている工夫』

 リーダーの仕事は、時間を生み出すことです。仕事をすることは、工夫をすることです。工夫とは、具体的には速くすることです。工夫をするといっても、目的がないと、どうすればいいか分かりません。目的は速くすることです。

 コピー1枚とるにも、速くする方法があります。どちら向きにすればいいとか、最終ページからとった方が後で並べかえなくて済むとか、いろいろ考えることができます。最終的には、きれいなコピーのとり方、分かりやすいコピーのとり方など、いろんなことに気付くキッカケが生まれるのです。

 工夫の仕方が見つからない時は、とにかく速くすることを考えます。昨日と同じスピードだったら、工夫はゼロです。会社の仕事は、そんなに変わりばえのするものではありません。昨日も、一昨日も、3年前も同じ仕事をしています。ベテランも新入社員と同じ仕事をしているのです。

 そこにどう工夫を加えるかです。そこに評価が入り、自分のモチベーションも生まれます。結果、工夫する人は速くなり、速い人はますます工夫するという正のスパイラルに入るのです。

 同じことを、昨日より速くすることです。

給料を2倍にしたかったら、2倍速くする

 今までの時代は、給料を2倍にするために、2倍長く働いていました。これが残業です。働き方改革の時代では、2倍長く働いている人は会社のお荷物になって、リストラに遭うのです。大切なのは、2倍速く仕事をして、余った時間で付加価値のあるものをつくることです。

 今は生産性と付加価値がゴッチャに語られています。生産性と付加価値は別の議論です。

 生産性を上げるということは、10時間かかる仕事を5時間ですることです。これは、あくまで手段です。最終目標は、余った時間、余った人員で付加価値をつくることです。

 付加価値とは、ほかの人がマネできないことです。ここにしかない、オンリーワンのものをつくるのです。仕事にムダな時間をかけていると、オンリーワンの付加価値をつける時間は生まれません。

 まずは、今、自分がしている仕事を2倍速くします。そして、あいた時間で未来へのタネをまきます。

 日々の仕事に追われていると、不安が生まれます。不安を解消する方法は、唯一、未来へのタネをまくことです。未来へのタネをまくのは、宝くじを買うのと同じです。宝くじを毎日買っている人は、常にワクワクしています。未来への不安はありません。今日の仕事に追われていると、宝くじを買うヒマがないのです。

 不安とは漠然としたものです。説明はできません。「私はこれからどうなるんだろう」という漠然とした不安は、「このままリストラに遭ったらどうしよう」「老後のお金をどうしよう」「急に病気になったらどうしよう」といったことで、最終的にはお金の不安につながるのです。

 余った時間で、未来に種をまくことができるのです。

撮影タイムには、「集まってください」より「ハイ、チーズ」

 工夫とは「いつもの言葉」を変えることです。

 講演の後で、よく「写真を一緒に撮ってください」と言われます。

 その時に、

 (1)すぐに人が集まる

 (2)ダラダラして、なかなか集まらない

という2通りの場合があります。

 その差が大きいのです。

 主催者が「中谷先生と写真を撮りますから、皆さん早く集まってください」と言うと、永遠に時間がかかります。ダラダラしている集団は、右肩上がりになれない集団です。右肩上がりの人は、さっと集まります。企業でも勉強会でも、その人が右肩上がりか右肩下がりかは、さっと集まるかどうかで分かるのです。

 「早く集まってください」と言われる人は、どんな先生が来ても、毎回同じようにダラダラしています。これは主催者の言い方が悪いのです。

 「集まってください」と言うと、ダラダラします。

 「ハイ、チーズ」と言うと、「あっ、もう撮るんだ」と思って、急いで来ます。

 「早く集まってください」と言うと、「集まっていない人が大勢いるんだな。まだ行かなくていいな」という油断が起こるのです。

 前の先生の講演が終わって、休憩後に次の講演が始まる場合は、大体の人が開始時間に席に戻っていません。ここで主催者が「まだトイレに行っている方もいらっしゃいますので、そろってから始めましょう」と言うと、なかなか戻ってこないのです。そういう時は、始めてしまうことです。始めると戻ってきます。

 待っているだけでは、永遠に人は集まりません。

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