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» 2020年10月22日 07時02分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:逆風吹き荒れるコンビニをどう変えるか〜3兆円の巨大ビジネスの変革を担う澤田貴司社長の挑戦 (1/2)

踊り場に差し掛かっている巨大企業、巨大ビジネスを大きく変える。その改革は、さらなる再生を目指す日本企業にとって大いにヒントになるのではないか。

[上阪徹,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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『職業、挑戦者: 澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」』

 平成の時代に成長スピードを加速させていったコンビニエンスストアが、踊り場を迎えている。成長の鈍化、店舗数の飽和、営業時間の問題、人手不足……。だが、こうした環境変化について、もう3年以上も前から警鐘を鳴らしていた人物がいる。ファミリーマートの澤田貴司社長だ。

 2016年に社長に就任したが、その直後のインタビューで、こうした問題をすでに指摘していた。そして経営者として何ができるか、ファミリーマートはそのための取り組みを着々と推し進めてきた。

 社長就任のタイミングは、サークルK・サンクスとのブランド統合のタイミングだった。この統合で、ファミリーマートは業界2位の店舗数となった。この統合をスムーズにやり遂げることが社長の最大のミッションだったのだが、看板が変えられ、内装が変えられ、商品が変えられた店舗は実に5003店。これだけのスケールのブランド転換は、世界に類を見ないという。しかも、予定を3カ月前倒しでやっているのだ。

 一方で、並行して3300もの店舗がクローズされた。ただ、ブランドを変えただけではなく、大胆に店舗を閉めていたのである。それまで拡大志向が当たり前だったコンビニ業界では、ありえないことだった。

 澤田社長の改革は、その後も続いた。売り場が変わり、商品が変わり、広告コミュニケーションが変わった。商品開発やマーケティングも変わり、店舗のオペレーションも変わった。本部社員の意識も変わり、人事評価の仕組みも変わった。組織も大きく変わった。

 24時間営業が本当に必要なのか、という難しい問題では、加盟店による時短営業を「本部の同意なしにできる」という方針を打ち出した。実際にアンケートや時短実験を行い、情報を共有。何があっても加盟店の判断に合わせる、という姿勢は業界に大きな衝撃を与えた。

 また、24時間営業分担金を増額させるなど、加盟店支援制度を拡充、その総額は実に年約110億円、店あたり70万円にのぼる。

 さらに店舗が大幅に削減されながら行われていなかった本部の組織のスリム化や業務効率化にも踏み出し、希望退職者を募集。2020年1月末で、1025人が退職している。

 苦しく厳しい意志決定を含め、ファミリーマートでは大胆な変革が行われているのだ。ファミリーマートの年間売上高は、実に約3兆円にのぼる。店舗数は全国に1万6000店以上。店舗で働いている人の総数は、約20万人にもなる。年間の購入者は延べ約55億人。これだけのスケールのビジネスをいったいどのようにして変革へと動かしているのか。

 それを詳しく知りたいと澤田社長への取材を重ね、上梓したのが書籍『職業、挑戦者 澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」』だった。

 巨大企業、巨大ビジネスを大きく変えていく取り組み。しかも、踊り場に差し掛かっているビジネス。その改革の取り組みを広く紹介していくことは、さらなる再生を目指す日本企業にとって大いにヒントになるのではないか、と思ったのである。

 澤田社長は、1957年生まれ。上智大学理工学部卒業後に伊藤忠商事に入社。1997年、38歳でファーストリテイリングに転じ、柳井正社長のもとで副社長を務めてフリースブームを仕掛けるなど、ユニクロの急成長を支えたことはあまりにも有名である。

 その後、2003年に独立して立ち上げたキアコンは、無名の会社ながらダイエー再生に名乗りをあげ、丸紅やイオンと並び再生支援の最終候補にまで残ったことも大きな話題となった。2005年には、経営支援会社のリヴァンプを起業。数多くの企業再生などに携わった。

 精悍(せいかん)な風貌。よく通る声。歯に衣着せぬ物言い。おしゃれないでたち。少年のような笑顔に、常に明るくパワフルなテンション。カリスマ的でありながら、その飾らない人柄を慕う若手の経営者やビジネスパーソンは数多い。

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