話し方のプロとして数多くのビジネスパーソンにレクチャーをする中で、「部下に話が伝わらない」という管理職の悩みをよく聞きく。どうすれば“伝わる”話し方を習得できるのか。
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話し方のプロとして数多くのビジネスパーソンにレクチャーをする中で、「部下に話が伝わらない」という管理職の悩みをよく聞きます。“伝わる”話し方を習得してもらう際、自身では自覚しにくい話し方のクセを指摘することがよくあります。
本稿では管理職のダメな話し方のクセについて、実際のエピソードを交えて解説していきます。
管理職のダメな話し方、5つのクセ
ある大手企業の管理職であるTさんは、部下とのコミュニケーションに悩んでいました。聞くと、部員10人のうち期待するのは2人だけとのこと。残り8人のメンバーには足を引っ張らないよう、繰り返し注意しているのにミスがなくならない、話が伝わらないと悩んでいました。
Tさんの考えでは、部の成績が伸び悩む原因はできない8人の部下たちにあるということになっていました。「できる人にとってはお荷物だ」「部下の失敗は自分の責任になるので困る」と否定的な言葉が続きます。その言葉からは、部下の成長を促すよりも、自身のリスクを避けたいという考えが表れていました。
おそらく、社内でもミスをした部下たちに「なんでできないの」「またか」と責めているのでしょう。否定的な話し方をされては、部下が聞く耳を持つはずがありません。
否定語をよく使う人は、日頃のコミュニケーションを見直し、部下ら相手の良いところを見つけて褒めることから始めてみてください。部下が「この人に言われたから直そう」と思えるような関係性を築くことができれば、話が”伝わる‘”ようになります。
あるコンサル会社の社長Hさんは新規事業を次々と立ち上げるアグレッシブな人でしたが、「社員が育たないので、自分のやりたいことが実現できない」という悩みを抱えていました。
Hさんに事業について聞いてみると、待ってましたとばかりに話をしてくれました。しかし、使う言葉は仕事の専門用語ばかり。しかも、自身のペースで話がどんどん進んでいくので、質問する間もありません。正直なところ、私はHさんの話の半分も理解できませんでした。
自分の経験や知識をよどみなく語れることは、一見、良いことのように思えます。しかし、話し相手である部下たちは毎日のように「分からない」が積み重なっていきます。
このような、相手の理解度を考えない話し方は、敏腕経営者やエース社員の方がやりがちです。難しい言葉を使っていないか、相手が質問しやすい雰囲気をつくれているか。会話の際には必ず注意しておきたいポイントです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授