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» 2009年04月08日 12時18分 UPDATE

中国ビジネス最前線:日本政府、中国富裕層の個人旅行を解禁

世界的な金融危機や円高などの影響で、日本にやって来る外国人観光客が激減している。一方、中国人観光客は増加傾向にあるという。そうした中、日本政府は中国沿岸部の富裕層の個人旅行を解禁した。

[内田総研グループ,ITmedia]

▽中国の1000万元富裕層、30万人に

 中国ネット企業の中新網は3月31日、中国において2008年に投資可能な資産が1000万元(約1500万円)以上ある富裕層は約30万人おり、投資可能な資産の総額は8兆8000億元に上ると伝えた。

 一方、招商銀行とベイン・アンド・カンパニーが発表した「2009年 中国個人財産報告」によると、今年末までに中国では、1000万元以上の投資可能資産がある個人は、前年同期比6%増の32万人になり、投資可能資産も前年同期比7%増の9兆元を超える見込みだとしている。

 同報告では、2008年に中国大陸で1億元の投資可能資産を持つ人は約1万人で、広東省、上海市、北京市、江蘇省、浙江省の5つ地方では、1000万元以上の資産がある人は2万人を超えている。1位は広東省で全国の15%を占める4万6000人、2位は上海、3位は北京となっている。

▽日本への旅行者、中国だけが増加

 日本政府観光局が3月25日に発表した最新統計によると、2月に日本を訪れた外国人観光客は40万8800人にとどまり昨年同月比の41.3%減で、1971年8月以来の最大の下げ幅となった。一方、1月と2月に日本を訪れた中国人は昨年同期比2.6%増の17万3500人に上ったという。日本旅行の観光客源としての中国の存在が際立つ結果となった。

 外国人観光客の大幅な減少は、世界経済危機に加え、日本旅行の費用が円高で大幅に上昇したことが原因と見られる。訪日外国人客は7カ月連続で前年同月比減となっている。


日本は中国人観光客頼み

 日本政府が最も重視する12カ国・地域のうち、訪日観光客が最も多かったのは、韓国の23万6500人(前年同月比53.3%減)、中国大陸部の17万3500人(同比2.6%増)、台湾の15万6300人(同比29.2%減)、米国の8万6100人(同比17.3%減)。日本の観光庁はこの下げ幅に対し、非常に厳しいとの認識を示した。

 今後は、中国人による個人旅行の解禁などの政策と結び付けながら、日本旅行をさらに宣伝し、日本観光の需要を発掘していく方針だという。


中国人観光客の受入れ政策

 日本政府観光局は3月24日、自民党観光対策特別委員会の席上で、今年7月から北京、上海、広州の富裕層に対し、日本での個人旅行を解禁する方針であることを明らかにした。来年7月には、中国大陸部全土の富裕層に日本での個人旅行が解禁される。

 日本政府が中国全土の富裕層に日本個人旅行を解禁した場合、中国から日本を訪れる観光客数は、現在の年間100万人からさらに25万人の増加が見込まれるという。

 中国人観光客の不法滞在を防止するため、日本の観光庁は中国の「富裕層」の定義を年収25万元と定めている。万が一不法滞在が発覚した場合、日本政府は関係旅行代理店に対しても処罰を行う方針。

▽中国、電信・ネット・放送網の融合へ

 国務院(中央政府)が発表した「電子情報産業調整振興計画」によると、中国における今後3年間の情報産業発展に対する部門別の配置が行われたという。電子情報産業の調整振興は、成長維持、内需拡大、構造調整、自主革新の強化、発展環境の改善、情報化と工業化の融合加速などをめぐり、環境の最適化による規模的な優位性の強化、新しい応用技術による産業発展の推進などを目的としている。


工業・情報化部の政策

 調整計画のプロセスと実施は、中国情報産業の発展に重要な促進作用を果たすことが目的で、工業・情報化部は関連部門と協力して、以下各分野における措置を実施する方針だという。

1. 情報産業の振興に関する調整を行い、優れた政策環境を作り上げ、ソフトウェア・IC産業の発展政策の実施力を強化する。電信、インターネット、ラジオテレビ放送の3ネットワークの融合(三網融合政策)を促進する。

2. 自主革新力の建設を強化し、コア電子部品、基盤ソフトウェア製品および新世代ブロードバンド無線通信ネットワークなどの国家重大科学技術プロジェクトを加速させる。

3. TD-SCDMA(第3世代携帯電話の方式)ネットワークの発展支援を強化する。

4. ソフトウェアおよび情報サービス業を発展させ、電信キャリアの業務革新を奨励するとともに、新たな成長分野を育て、金融、電力、鉄鋼、自動車、紡織など各業界における応用発展を支援する。アウトソーシングのための公共プラットホームの建設推進にも力を入れる。

5. 情報化と工業化の融合を促進させ、製品の研究開発における設計、工程管理、企業管理、市場マーケティング、マンパワー開発など各分野での自動化と管理レベルを上げる。



※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。

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