実用段階に入るSOA――マクドナルドやNTTドコモの取り組みBEA Japan Forum 2007リポート(2/3 ページ)

» 2007年11月06日 08時00分 公開
[岡田靖,ITmedia]

大日本印刷の「創発的な」社内ポータル

 また大日本印刷(以下DNP)は、情報システム本部 吉田幸司氏が「大日本印刷の企業戦略を支えるWeb 2.0的情報流通基盤」と題したセッションを行った。

 吉田氏は冒頭、DNPは出版印刷業務からスタートし、その技術を広く展開していくことで、現在では非常に幅の広い業務ポートフォリオを持つに至ったと説明した。

 「各事業は、それぞれ独立した事業体となっており、なかなか関連を持つことが難しい状況になっています。一方、当社では2001年に掲げた経営理念の中で『創発的』という言葉を用いていますが、これは創造的な連鎖を発展させていくといった意味にとらえられます。今にしてみれば、Web2.0的な考え方を当時から持っていたのですね」(吉田氏)

 DNPは、昨年10月に社内ポータルを一新した。それが「創発的」な雰囲気を助けるものだという。

 「当社では、カメラマンやファッションモデルから、デザイナー、印刷機の技術者、IT系技術者、事務職員まで多様な人材がいます。その従業者の多様性が創発につながると考えています」と吉田氏は言う。

 かつての社内ポータルは事業部門ごとの縦割りだったが、新たなポータルではデザインや用語は共通化し、極力それを避けるように工夫した。

 「できるだけ多様性を保持したままコミュニケーションを活発にしていきたい」(吉田氏)一方で、会社としては理念や価値観の共有を図ることも重要だ。

 こうした要件を満たすべく作られたポータルは、トップページの下にタブで利用シーンを区切り、それぞれのタブの中には多様な機能をポートレットとして表示するような形となった。

 「まだWeb2.0的な機能は実装されていませんが、Web2.0的な考え方はすでに盛り込んであります」と吉田氏は言う。

 参加する電子会議室などの新着情報を各ユーザーにフィードしたり、ニュースなどのコンテンツにコメントをつけられる参加型メディアなどが用意されている。

 「今後は、Notes上にある1,000以上の電子会議室、1万以上のNotesDB、そして3万5000人にのぼるユーザーの個人プロフィール、それらを有機的に連携させて、Web2.0的ポータルへ発展させていく方針です」(吉田氏)

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