「今や日本経済の中心はITにあると言える」と発言するのは、東京大学の須藤修教授。これらIT分野においてイノベーションが求められているという。特に同氏は、ネットワークを通じて外部資源を有効活用した「オープン・イノベーション」に期待していると話す。
「オープン・イノベーションは、コラボレートで参加するアーキテクチャだ。こうしたイノベーションを推進するCIO人材を育成していくことが、大きな課題となってくる」と須藤氏。
そのためには、社会や経済に関する高度な知識とITに関する高度な知識を両立させた人材をCIOとして育成することが必要だという。
「文系・理系の両方の知識を持ったCIOが育ってくるまでは、それぞれの立場のCIOが必要になるだろう」
国際CIO学会の会長である早稲田大学の小尾敏夫教授は「理系の大学生が組織論を学びたがる」と言う。
「理工学部でCIO学を教えてくれと言われた。日本には、そもそも理系の学生が少ないが、彼らに経営層に入り込むパスとしてCIOを経験するのがポイントと思われている」
国際CIO学会は、同日発表した「ワセダCIO声明」の中で「CIO学」の確立を提言し、高度ICT人材育成に向けて尽力している。
「この動きは世界的なもの。米国のCIO学会に参加したとき、世界銀行がCIO育成に投資したいという話があった。途上国の政治の透明化のために電子政府を推進してほしいと考えており、そのためにCIOを育成したいのだそうだ。それを受けて、国際CIO学会は世銀やAPECと組んで、3者でコンテンツをつくっていくことにした」と小尾氏。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授