組織を率いるリーダーに必要なのは、自分自身を深く分析し強みと弱みを把握することだ。巨人の原監督、西武の渡辺監督は自分のスキルを生かすことにより、リーグ優勝という成功を手に入れたという。
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渡辺監督率いる西武がパシフィック・リーグで優勝を、原監督が率いる巨人がセントラル・リーグで優勝を果たした。両監督とも人材開発や人材育成に努め、若手をうまく起用し、彼らの能力を発揮させたことが優勝に結び付いたのだと思う。
前回、6カ月後のゴールを確実に達成するタクティックミーティングについて話した。リーダーが自己変革をする上でもっとも大切なのは自分自身を知ることである。自分の強みや弱みを知り、強みは生かし、弱みは改善していかなくてはならない。特に弱みは自分で熟知しておかなければ足をすくわれることになる。自己分析をする際には、紙に書き出してみることが大切である。自己分析に役立つシートを紹介する。
このシートを使って次のように進めてほしい。
(1)10の項目について、セルフチェックで該当する数値に○をつける。
(2)下記の項目について、一番右の個所に点数を付ける。
- 組織に対する姿勢
- 仕事に対する姿勢
- 達成・成果
- 人材開発・人材教育
- 人間性・敬意
(3)次のレーダーチャートに書き込み、点と点をつなぐ。
これは上記の5つのヒューマンスキルについて自分自身を分析するものだと分かるはずだ。強みといえるのは7点以上、4点以下が弱みになる。
リーダーとして、財務やマーケティングといったテクニカルなスキルはとても大切である。一方で、リーダーとして多くの部下を抱え、組織を率いていくには、ヒューマンスキルも重要だ。リーダーはそれに関する自分の強みと弱みを把握しておかなければならない。
ヒューマンスキルは大事だと分かっていても、数値化して分析する機会はそれほどないはずである。「人間力」といってもどうやって測るのか、「仕事に対する情熱」といっても、何を基準に考えたらいいのか検討がつかない人も多いだろう。このチャートは、自分自身のヒューマンスキルをチェックする上でとてもいい材料になる。
いくつかの傾向を説明する。
・「仕事に対する姿勢」と「達成・成果」が低い人は、組織として結果を出せない人である。
・「組織に対する姿勢」が低い人は、協働力がなく、一匹おおかみ的な人である。
・「人間性・敬意」「人材開発・人材教育」が低く「仕事に対する姿勢」が高い人は、人をつぶしてしまう傾向がある。人を育てるスキルが低いので、組織の拡大は難しくなる。
・「達成・成果」が高い人は、仕事が長続きしない傾向がある。
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