広がる業界ごとの所得格差中国ビジネス最前線

一人当たりの平均給与に関して、中国では業界格差が広がっている。改革開放路線がスタートした1978年には最も高い業界と最も低い業界の差は1.8倍だったが、いまや実際の所得格差は5倍を超えるという。

» 2009年05月25日 12時58分 公開
[内田総研グループ,ITmedia]

▽中国、高所得業界の変遷と所得差

 2000年に一人当たりの平均給与が最高だった業界と最低だった業界とでは、所得額に2.63倍の開きがあったが、これが2005年には4.88倍に拡大した。国際的に認められる業界間の合理的な所得格差水準は3倍前後で、3倍を超えれば調整が必要だとされているが、中国のここ30年間の平均給与の動きは、一連の変遷をたどっていることが分かる。


改革開放路線スタート時の業界格差

 1978年に改革開放路線がスタートしたころは、電力、天然ガス、水の生産・供給業、建築業、地質探査業、土木管理業などが高所得業界だった。社会全体の所得が低く、高所得業界と低所得業界との格差はそれほど明瞭ではなく、一人当たり平均給与が最も高かった業界の給与額は最も低かった業界の約1.8倍だった。


1900年代における業界格差

 1992年になると、採掘業が高所得業界になり、翌年には電力、天然ガス、水の生産・供給業、交通業、運輸業、倉庫業、郵便業、電話業、通信業、不動産業が取って代わった。ここから不動産業、郵便業、電話業、通信業が発展し始めたことがうかがえる。


2000年代における業界格差

 2002年には電力、天然ガス、水の生産・供給業、交通業、運輸業、倉庫業、郵便業、電話業、通信業、金融業、保険業、科学研究業、総合技術サービス業、不動産業が高所得業界だった。高所得業界の平均給与は全国平均を約5000元(約7万5000円)上回り、最も高い業界の給与額は最も低い業界の2.99倍に達したという。

 現在、電力、電気通信、金融、保険、タバコの各業界の従業員の平均給与は、そのほかの業界の2倍から3倍に達し、給与以外の収入や福利厚生の格差を計算に入れると、実際の所得格差は5倍から10倍に達するとみられている。

▽中国の電話ユーザー、10億戸突破

 中国の情報通信分野の主管庁である工業・情報化部が明らかにしたところによると、2009年3月末現在、中国の電話ユーザー総数は10億戸を突破、のべ10億600万戸となった。うち、固定電話ユーザー総数は3億3500万戸、携帯電話ユーザー総数は6億7000万人に達している。

 中国国内では3G移動通信サービスが開始されて以来、2カ月連続で単月の新規増加移動ユーザー数が1000万人を突破、今年2月、3月の新規増加分はそれぞれ1007万人、1055万人となった。

 また、通信総合価格水準は徐々に低下しており、昨年同期比で6.76%下落した。統計によると、今年1〜3月、中国国内通信業界の通信業務累計売上高は5867億7000万元と、昨年同期比10.8%増加、通信業務収入は2024億2000万元で、同1.86%増加した。一方業界全体の利益総額は376億5000万元となり、同18.7%減少している。

▽中国、127カ国と投資保護協定調印

 中国商務部によると、中国政府は中国企業の海外での合法権益を守るために、世界約100の国や地域と二国間の経済貿易混合委員会を設立し、127の二国間投資保護協定に調印したと明らかにした。

 また中国は一部の国と自由貿易区協定の調印を協議しており、約20の国や地域とは、互いに利益のある協力を強化する政府間協定に調印している。

 中国商務部は国外の安全ネットワークを構築しており、応急緊急対策プランを制定し、国外のもめごとや突発事件の処理方法を調え、全国に国外派遣の労務援助機関を設立するなど、多くの国外での突発事件を適切に処理している。

 2007年末までに中国の対外直接投資は世界の対外資産総量の5%を占めているが、日本の4分の1、ドイツの10分の1、米国の20分の1に過ぎない。中国が導入した外資と対外投資額の割合は、2007年の4.42:1から2008年の1.77:1と上昇し、ある程度改善されてきたが、先進国に比べるとまだ大きな差がある。



※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。

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