ここで前回のコラムでお伝えしたコートジボアールの中国人の話を振り返ってみよう。コートジボアールのみならず、世界各地に華僑をはじめとした中国人ネットワークが広がっており、中国本土の中国人が世界のマーケットへ進出しやすい環境が整っている。一方、日本は幸か不幸か、今まで国内で裕福な生活水準を保っていたため、特に新興国やその次にカテゴリーされる諸国とのつながりは弱い。
そこでBRICsの一角であるブラジルについて考えてみる。ここには、多くの日系同胞がたくさんいる。今後、2014年のワールドカップ、2016年のオリンピックを控え、ブラジルが国際的に注目を集めるほか、世界的な食糧危機に直面し農業が注目を浴びている中で、ブラジルの存在感は大きく、今後の成長余地は大いに期待できる。経済産業省のレポートにもあるように、今後の日本経済の発展には、日本企業のさらなる海外進出、特に新興国への進出が必要不可欠であるため、ブラジルとの結び付きを強めていくことが望まれる。
僕らは、サッカー界においても、日本人がもっと海外進出を図り、現地の環境でたくましく育って日本へ戻ってくるという逆輸入こそが日本サッカーを強くすると論じている。トゥーリオ選手の例は、3世代かけて日本へ戻ってきた、究極の逆輸入といえるかもしれない。彼の例を出すまでもなく、サッカー界における日系人の貢献により、日本とブラジルの結びつきは非常に大きい。
産業界とて同じだろう。今後、ますます注目される南米諸国に日系人という存在がいることが、日本の成長に大きく影響を与えることは間違いない。
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アシシ(左)とヨモケン
アシシ:1977年生まれ、北海道出身。大学卒業後、外資系コンサルティングファームに入社。6年勤めた後、ドイツワールドカップ現地観戦を理由に退職。その後、中田英寿の影響を受け旅人デビュー。半年仕事、半年旅人のライフスタイルも2009年で4年目に突入。自遊人布教活動を推し進める血気盛んな31歳。twitterアカウントは「atsushi_libero」。
ヨモケン:1979年生まれ、神奈川県出身。1998年、大学入学直後に日本代表とともに初めてワールドカップ(フランス大会)を体験。2002年、日韓ワールドカップをEnjoyし尽くして、同年、外資系コンサルティングファームに入社。2006年のドイツワールドカップを現地観戦後、同社の中国オフィスへ転籍。人生のマイルストーンをワールドカップイヤーに重ねながら、現在はフリーランスのコンサルタント兼旅人を満喫中。twitterアカウントは「yomoken2002」。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授