ヘッドハンターの視点
溢れる噂と事実の奥に潜む真実(1/2 ページ)
「ヘッドハンターの視点」のバックナンバーはこちら。
どんな仕事でもクライアントを知ることは大切です。それはヘッドハンターも同じです。企業の業績、競合、関連ニュースなどの情報はネットで調べられるので、クライアントとのミーティングでは、現状の課題、事業戦略・計画などを聞き採用したい人物像(実績のある人?将来性のある人?戦略的な人?実務的な人?多少強引でも決断が出来る人?周りを巻き込むのがうまい人?などなど)を絞り込んでいきます。
一通り話を聞き終えた後、本当に聞きたい2つの質問をします。
「なぜこの会社に入社したのですか?」
「なぜこの会社に居続けることを選択しているのですか?」
ほとんどの人がまず「え?わたし?」との反応。しばらく沈黙の後、ゆっくりと口を開いてそれぞれの思いを話してくれます。ここで話してもらえる内容は彼らが"準備"してきた回答でも、ネットで調べられる情報でもない自分自身の言葉で語る真実であり、会社の実情です。また、彼らはこの質問に答える時、わたしに向けてではなく声に出すことによって、その言葉を自分に聞かせているように感じます。
「この会社はわたしが飽きないように、常にワクワクするようなチャレンジをくれるんだ。うん、そうだ」とかみしめるように言っていた大企業のエグゼクティブがいました。
「わたしたちはすごい製品を開発したのにまだそれを知らない人がたくさんいる。もっと多くの人達に使ってもらい喜んで欲しいんだ」と目をキラキラさせて話してくれたベンチャー企業の社長もいました。
また、数字上ではビジネスが順調に見える右肩上がりの成長企業でも、実は社員が歯車と化し疲弊しているケースもあります。そういった場合は、それまで勢いよく会社の話をしていた人が「なぜ……?」の質問をすると急に口が重くなって「……実は転職を考えているんですが、最近転職市場はどうですか?相談に乗ってもらえませんか?」といわれることも少なくありません。“業績が良くても社員が歯車と化し疲弊している”と分かっていたら「わたしが何とかしてやる!」という人(実際そういう人はいます)を探します。
しかし“右肩上がりの成長企業”とだけ説明されてうのみにしていたら、本質的なニーズとは違うタイプの人を紹介してしまうかもしれません。逆に今はまだ業績が上がっていなくても明確な強みがあり、目標に向けて社員一丸となって明るく前向きに突き進んでいる企業もあります。数字という事実の奥にある真実を聞き出すことでクライアントの本質的な問題や採用ニーズに少しでも近づくことができるのではないかと考えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
2
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
-
3
5年で辞める予定の元数学青年が「しなやかな心とぶれない軸」でCISOへ - 富士通 太田氏
-
4
20代男性が好きなサッカー選手は?――つぶやきの分析でマーケティングが変わる
-
5
「昆虫サイボーグ」で災害現地の行方不明者ゼロに挑む
-
6
「漏洩連絡が来た…」自分の個人情報が流出したら? 二次被害を防ぐ、対処法と日頃の備え
-
7
「ウサギとカメ」の本当の教訓とは?――童話の教えを疑ってかかってみると、人生の本質が見えてくる
-
8
「薬機法申請の添削AI」を現場が作った――ライオンが100人のAI開発者を育てて見えた「民主化」の分岐点
-
9
「技術を知らなければ、適切なリスクは取れない」 マネーフォワードCISO 松久氏
-
10
「仕方ないインシデント」まで全力を尽くせるか - さくらインターネット 江草氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー