このように、ビジネスに必要な法律に絞って、具体的なビジネスの場面ごとに関係する法律を学ぶ、これがビジネスの法律を学ぶ必勝法です。
では、具体的に、どうすればいいのでしょうか。
法律の条文は抽象的です。法学部生や司法試験の受験生が読んでいる専門書も、法理論の基礎を学ぶ目的で書かれていますから、抽象度の高いものが多い。ですから、法律を学んだことのない方が、いきなり専門書を読んでも、その法律が実際のビジネスの場面でどのように使われるのか、なかなかイメージできないと思います。
法律に限らず、どんな分野であっても、最初は、できるだけ薄くて、分かりやすそうな本をサラッと読んで、イメージをつかむことが大切です。
私も、法律以外の専門知識を学ぶときは、まず、「世界一分かりやすい○○」「図解で分かる○○」といった本を一読します。その後に、もう少し専門的に書いてある本を読んでみる。
そうやって学んでいった方が、勉強のモチベーションを保つことができますし、結局は、実用的な知識が、早く身につくのです。法律の勉強も同じです。
初めてビジネスに必要な法律を学ぶときは、薄くて平易な入門書を読んでみることをお勧めします。ほとんどの書店には、「法律」のコーナーがあります(だいたい、奥まったところにあるのですが)。今まで、避けて通っていた法律のコーナーに、一歩、足を踏み入れてみてください。意外と、図解をたくさん使った本、薄いコンパクトな本も、たくさんあることに気づくと思います。
また、多くの書店の法律コーナーでは、法律書がカテゴリごとに分類されています(契約関係、労働法、知的財産権など)。このカテゴリを参考にすれば、自分のビジネスに必要は法律の本が見つかるでしょう。
何かを学んでレベルアップしていくことは、本来、楽しいことです。でも、基本が身につくまでは、なかなか面白さが感じられない。
この最初を乗り切れば、法律の勉強にも興味がわいてくると思います。
弁護士。原・白川法律事務所パートナー。東京大学法学部卒。大学4年在学中に司法試験に合格。最年少(当時)の24歳で裁判官に任官。民事裁判、刑事裁判、行政裁判の合議事件等に携わる。03年 弁護士に転身。中小企業の総合的法律援助(紛争予防法務、債権回収、示談・訴訟、会社法実務、契約指導、労使関係等)、起業支援、著作権、相続、借地借家等を得意としている。著書「会社の健康リスク対策は万全か」(共著フィスメック出版) 日本融合医療研究会理事
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
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明治学院大学 経済学部准教授