「弱みを見せるな」「自信を持って誇張しろ」。米国でビジネスを成功させるための秘けつをお伝えする。
米国に行ったことがある方なら、例えば、レストランでものすごく細かい注文をしたり、コーヒーショップでコーヒーを頼むにも、カフェイン抜き、ローファットミルク入り、シナモントッピング大盛りなどと頼んだりしても大丈夫であるのをご存じだろう。
問題は、朝食にローファットミルク入りシナモン大盛りカフェイン抜きコーヒーを飲んだ後のことだ。仕事をうまく進め、実りある1日を過ごすためのヒントを、今回いくつか紹介する。
(1) 米国人の企業幹部は、手っ取り早い成功を望み、短期的な結果を出すことを強く重視する。生産性を判断されるまでの時間もきわめて短く、結果に対するプレッシャーも他国の比ではない。米国で仕事をするということは、迅速に反応し、さっさと契約を結ぶことを意味している。すぐに結果を出せた場合は、長期的な関係を結び、戦略的な協力体制を築ける可能性も生まれるだろう。交渉に臨む際は、すばやい動きができるよう準備しておかねばならない。
(2) プレゼンテーションは、「短く完結に」が基本だ。可能なかぎりシンプルなプレゼンを心掛けること。プレゼン用のスライドに情報を詰め込みすぎるのはいけない。核となるメッセージに重点を置き、すっきりしたレイアウトの資料を作っておこう。
(3) 15分から30分ごとに、それまで議論してきた内容やその結果をまとめ、確認する。要点を押さえることで、誤解が生じるのを避けるためだ。
(4) 外見や適度なユーモアは実践的なインテリジェンスの表れであり、米国ではこれらが非常に大切になってくる。また、仕事相手の話を熱心に聞き、突っ込んだ質問をするのも歓迎される。議論や質問をきちんと整理していれば、ビジネスパートナーとしての株も上がるだろう。仕事の場でユーモアセンスを見せるときは注意を払うこと。自分にとっては笑える話でも、相手は侮辱と取るケースもあるからだ。ビジネスシーンを盛り上げるのに役立つと確信できた場合にのみ、冗談を言ってもよい。
(5) 「達成したいと念じれば何でも達成できる」――。こんな具合に、実にポジティブな考え方が一般的で、誰もが何でもやれるような気になる米国では、過剰なほどに自信を持つ必要がある。謙遜するより誇張するほうが普通なのだ。ビジネスにおいては、弱みを見せるべきではない。
(6) 時間に正確であるのはプロの証拠と考えられているため、遅刻は絶対にしないように。米国では、「時は金なり」である。
ジャスミン・A・ワグナー(Jasmin A. Wagner)
ドイツ、ハンブルク出身。2歳の時に両親とともにヨットで世界一周の旅に出発。その後15歳になるまで世界30カ国以上を訪れる。この旅についてのニュースは世界中で評判になり、韓国で絵本が出版され、日本でも多くのメディアで紹介される。アジアには10〜15歳まで滞在。そのうち4年間は奄美大島に滞在。その後も両親は旅を続け、自分は1人でドイツに帰国。優秀な成績で学業を修め、経営管理学ディプロマ Diplom-Betriebswirt(BA)を取得。ドイツの有名自動車企業に就職後、28歳でエグゼクティブに抜擢される。
世界中の支社で働くうちに、それぞれの国に大きな特徴、強み、弱みがあることに気づく。コミュニケーションスキルでビジネスの成功に大きな差が出ることを痛感。ニューヨークにてイメージコンサルティングスキルを学ぶ。キャリアの傍ら、グローバルコミュニケーションやイメージコンサルティングセミナー、トレーニングを展開する。独、仏、英語、日本語を話す。空手初段。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授