30 代へのアドバイスキャリアプラン 90歳までの現役計画

30代は人もうらやむ身分。それは将来を自分の意志で変え、成功できる可能性が膨らんでいるから。

» 2013年02月22日 08時00分 公開
[郡山史郎(CEAFOM),ITmedia]

 あなたが今30歳代であれば、あるいはあなたが30歳代の友人、親戚、子どもを持っているのであれば、その世代が人もうらやむ身分であることを認識してください。

 この世代の人にとっては、支配できる将来が自分のものなのです。将来を自分の意志で変えて、成功できる可能性が膨らんでいるのです。自分の信じる途へ、思い切って飛び込んでいけます。

 仕事に関していえば、今やっていることを全力で頑張るのが一番いいです。しかし、このままではどうしても自分の夢が実現できないと思ったら、転職もかまいません。これまで、わたしが書いたコラムを読めば分かりますが、40代ではもう間違いは許されませんし条件は悪くなります。50代ではほぼ不可能、60代ではあきらめたほうがいいのが当今の転職の常識です。するなら30代です。

 転職は慎重に、などという言葉にだまされてはいけません。正しい常識は、転職はしてはならない、です。会社は入るところであり、やめるところではありません。ただ、自分の夢はここでは実現できないと結論づけ、どうしても転職したくなったら、慎重にではなく、思い切って冒険をしましょう。そして、転職で成功する確率は間違いなく2分の1以下ですから、少しくらいひどい目に遭ってもくよくよしないことです。

 転職して入った会社が気に入らなかったら、一番いい方法は平気でそこで頑張ることです。少なくとも3年はそこにいましょう。まだ苦労が身のためになる世代ですから、簡単に辞めてはいけません。自分の体験でも、ひどい会社に転職したとき、また悪い上司についた時期が一番成長したように思います。自分に合わない会社に自分を合わせることができたら、これはすばらしい人生を送る能力を手に入れたことになります。負けてなるものか、この失敗の仇はどこかでとってやる、そう思って頑張れば次の転職で失敗することはもうありません。

 30代。どんな苦労でも歓迎してください。わたし自身も36歳の時に転職しています。未知の世界が恋しかった若気のいたりです。後悔はしていません。もちろん転職しなかったほうがよかったな、とは、客観的に言えます。転職がわたしにもたらしたものは、不規則な人生、家族の混乱、育児の失敗、もちろん出世の妨げ、などなど。しかし自分で決めて、自分で行動したのですから、それはそれで十分な幸せを得たと思います。人生は途中だけが大切で、結果はどうでもよい不思議なところです。30代、自分が自分のものでしたからね。

著者プロフィール

郡山史郎

株式会社CEAFOM代表取締役社長

1935年鹿児島県生まれ。一橋大学経済学部卒。1959年ソニー入社

スイス、米国に市場開拓マネジャーとして通算12年滞在。米国大企業に転じて、日本代表、北アジア担当、複数の関連会社の社長を歴任。1981年にソニーに復帰し、取締役情報機器事業本部長、常務取締役経営戦略本部長、資材本部長、一般地域統括本部長など歴任。2004年株式会社CEAFOM創業。

国際大学、早稲田大学、一橋大学、九州大学など講義、講師多数。外国人記者クラブ、証券取引監視委員会など講演多数。著書、「ソニーが挑んだ復讐戦」。

ソニー創業者、井深大、盛田昭夫、大賀典雄の直属幹部として永年経営に参加し、社長賞4回の実績あり。現在、多くの企業に対し、経営全般、グローバリゼーション、事業企画などのテーマでアドバイスを行い、また、役員、幹部社員の研修講演なども行っている。


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