未来は変化する。その中で、自分はどう生きるか。目先の問題に全力を尽くす。その継続が人生だ。
20代歳代をどう生きるか、という問いに対する回答は、すべての世代に通じます。
20歳代なら90歳まで70年くらいあります。70年と言えば、本当に長いのです。物差しを逆にして、70年ほど前の日本を想像してください。東京は焼け野原、一夜にして東日本大震災の10倍の人が死んでいます。そこから、今の東京が出来上がったのですから70年たったら、今の世の中がどのように変わっているか、想像もできません。
未来は変化する。その中で、自分はどう生きるか。人生は、結果でなく、途中が本質です。ケインズは長い目で見れば、という考えを排除せよ、と言っています。長い目で見れば、みんな死んでいるのだから、ということです。目先の問題に全力を尽くす。その継続が人生なのです。
今が大切という意味ではありません。一番大切なのは未来であり、現在を将来のために使うのです。過去には何の価値もない。なぜなら、それは努力では変えられないからです。分かりやすく言いますと、今日は明日のために使い、今週は来週のために、今年は来年のために使い、その先は、まあ、考えない、ということです。2年も先のことは、まったく分かりませんから、そんなことを考えるのは無駄です。これは20代でも90代でも同じです。
もう一つ、自分のことは自分で決める。人の意見では動かない。自分の人生を生きる。自分の価値観を持つ。自分の物差しをもつ。20代、もう子供ではありません。人間は一人ひとり、違う条件で生まれてきます。それは人間があまりに複雑な要素の集合体であるので、同じものができないどころか、一つひとつ非常に違ったものができてしまうからです。ですから、自分の人生を生きなければ、しかたがない。運命論でもなんでもない、自然現象です。このことも、20代でも90代でも共通です。
あなたが20代で、この2つのことが実行できるなら、あなたの人生は、かならず幸せになります。もっと広げて言いますと、あなたが何歳であっても、これを実行したら、幸せになります。それは、目前の未来のために全力を尽くす。その内容は自分で決める。それだけです。いかがでしょうか。
郡山史郎
株式会社CEAFOM代表取締役社長
1935年鹿児島県生まれ。一橋大学経済学部卒。1959年ソニー入社
スイス、米国に市場開拓マネジャーとして通算12年滞在。米国大企業に転じて、日本代表、北アジア担当、複数の関連会社の社長を歴任。1981年にソニーに復帰し、取締役情報機器事業本部長、常務取締役経営戦略本部長、資材本部長、一般地域統括本部長など歴任。2004年株式会社CEAFOM創業。
国際大学、早稲田大学、一橋大学、九州大学など講義、講師多数。外国人記者クラブ、証券取引監視委員会など講演多数。著書、「ソニーが挑んだ復讐戦」。
ソニー創業者、井深大、盛田昭夫、大賀典雄の直属幹部として永年経営に参加し、社長賞4回の実績あり。現在、多くの企業に対し、経営全般、グローバリゼーション、事業企画などのテーマでアドバイスを行い、また、役員、幹部社員の研修講演なども行っている。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授