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» 2013年04月24日 08時00分 公開

ビジネスに直結するプレゼンテーションのテクニックを学ぶITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(3/3 ページ)

[山下竜大,ITmedia]
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プレゼンテーション力で月間の売上が1割向上

 「プレゼンテーション本番では、堂々、はっきり、笑顔、指先が重要になる。口よりも先に指先で相手に物事を伝えたのがスティーブ・ジョブズである。彼は、必ず左右の手の人差し指だけでiPhoneを持ってプレゼンテーションをした。これにより、iPhoneが繊細で品質が高いことをイメージさせた。これは多くのエグゼクティブが使っている方法である。次に動きもポイントである。自分が想像している以上に動くことが必要で、小さく動くと落ち着きのない人に見えてしまう」(西脇氏)

 米国では、客席に入っていくプレゼンターもいる。話をしながら左右に動き、自然な視線誘導を行う。また「接続詞」で振り向く動作は効果的である。映画やテレビ番組では、接続詞で振り向くことが多く、見慣れている。さらに最初の言葉と最後の言葉を決めておくことも重要。特に第一声から180秒がプレゼンテーションを左右する。話を聞くか、聞かないかは、ここで決まるといっても過言ではない。必要なのは、まず挨拶、次に名前、そして組織と名前となる。西脇氏も冒頭で自分の名前を2回、言っている。

 「プレゼンテーションでは、自分の名前を売り込む」と西脇氏。次に本当のプロフィールと今日のプロフィールを話す。今日のプロフィールとは、天気や場所、会場までの交通手段など、講師と聴講者の共通の話題である。また、つかみは最初の5分、遅くとも10分できまり、最初の10分で笑わない客はその後も笑わない。このとき自虐ネタはOKだが、下ネタはNGである。さらに「見にくい」「分かりにくい」などの汚い言葉を避け、「見づらい」「分かりづらい」という美しい言葉を使うようにする。

 「あるテレセールスの会社の女性の言葉遣いを指導した。テレセールスなので、身振りとか、笑顔などのテクニックを使うことはできず、声だけでセールスをしなければならない。そこで約1カ月間、徹底して汚い言葉を排除し、美しい言葉に置き換える指導をした結果、1カ月の売上を12%伸ばすことができた。営業時間を1割、人員を1割増やすためにはコストがかかる。ところが言葉遣いを丁寧にするだけで売上を1割伸ばすことができるので、非常に大きな効果が期待できる」(西脇氏)

 また言葉をリワインド(巻き戻し)しないことも重要。ここで言うリワインドとは、言い間違えを訂正することだ。「例えば、"2013年の見込は……"と言わなければならないときに、"2012年……"と言ってしまった場合、訂正して"すみません。2013年の……"と言い直すのではなく、"2012年……の業績を超える2013年の見込……"と続ける。理由は、リワインドすると、その人の言っていることがウソっぽく聞こえるためだ。リワインドしないことで、この人は最終的に信頼できるという効果が生まれる。

 さらに言葉の修飾だが、スティーブ・ジョブズは「プレゼンテーションでは、言葉をドレスアップしなければならない」と著書に記している。つまり、名詞はかならず副詞・形容詞などで修飾する。例えば「皆さんは……」ではなく、「ご来場いたいている皆さんは……」、さらに「お忙しい中ご来場いたき、真剣なまなざしで聞いて頂いている皆さんは……」となる。同時に言葉は進行形で表現する。「画面が表示されました」ではなく、「画面が表示されます」とすることで、より美しいプレゼンテーションとなる。

 プレゼンテーションでは、語尾も重要であり「体言止め」「質問と回答」「魅力を最後にする」という「3つの語尾活用法」が有効になる。例えば「われわれはこうやって危険性を指摘してきたのです」という言葉を体言止めにすると「われわれが行ってきたのはとても重要なことです、そう、危険性の指摘」となる。また質問と回答では、「危険性の指摘を行ってきたのは?そう、われわれなんです」となり、魅力を最後にするでは、「われわれは危険性の指摘をしました、しかも、素早く、そして完璧に」となる。

 最後に西脇氏は、「プレゼンテーションでは、10%程度の人は聞いていない。問題はその人たちが気になること。これが不安をあおることになる。そこでペースメーカーを見つける。例えば、こちらの言葉に常にうなずいてくれる人を見つけることだ。これにより自分のペースをつかみやすくなる。全体を見回しながらペースメーカーに話しかけることで緊張することなくプレゼンテーションを行うことができる」とプレゼンテーション中の緊張のほぐし方について語り、講演を終えた。

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