一流の人は真正面からうけとめない。「正攻法」を放棄するという「成功法」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

いくら努力しても結果が出ず、行き詰まってしまった。そんなとき、そこから、取るべき道は2つに分かれる。

» 2014年12月04日 08時00分 公開
[おかのきんや,ITmedia]
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一流の人は真正面からうけとめない

 いくら努力しても、結果が出ないときには、「……」しながら努力すれば成功する。

 さて、あなたなら「……」に、どのような言葉を入れるでしょうか? 答えは、この記事の末尾に示します。

 『一流の人は真正面からうけとめない』(東邦出版)という本を書きました。「世界一受けたい授業」に何度も出演している人気講師、根本浩さんとの共著です。

 いくら努力しても、結果が出ず、行き詰まってしまった。そんなとき、そこから、取るべき道は2つに分かれます。

 1つ目の道は、正面突破の正攻法。今まで以上の、気合い、努力、力技で再挑戦することです。しかし、それまでの努力が空回りしている場合、ムキになればなるほど、自滅への道をたどりがちです。

 2つ目の道は、正面突破を回避し、思わぬ方向から活路を開く奇策です。いわゆる、逆転思考、逆転の発想。行き詰まっているとき、正攻法モードを、逆転思考モードに、切り替えることができるスイッチがあります。

 そのスイッチとは、脱力、諦め、開き直りです。執着を棄てることです。場合によっては、目の前の困難から逃げ出してもいいのです。努力を放棄してもいいです。

 「そんなバカな!?」と、思うかもしれません。

 でも、そのことにより肩の力が抜けると、無駄な焦りや緊張感がとれ、「健全な判断」や「ヒラメキ」が訪れやすくなるのです。

 『一流の人は真正面からうけとめない』というタイトルには、このようなメッセージが込められています。実際、一流の人たちが、そのようにして、目的を成就させた実例がいくらでもあります。

 偉大な例では、釈迦です。悟りを難行苦行の中に求めたものの、行き詰まってしまいます。ある日、苦行を放棄し、菩提樹の木の下で開放感に満たされた瞬間、大いなる悟りを得たのです。

 苦行を放棄し目的を成就した例、本書からも紹介します。

 「やまと虹一」という漫画家がいます、私が二十歳の頃からの親友です。やまちゃんは二十歳のころめでたく漫画家としてデビュー、目標は売れっ子漫画家になること。

 ところが、売れない漫画家時代が延々と続いたのです。

 その頃のやまちゃん、毎年、大晦日になるたびに開運ダルマを買っていました。「オレ、このダルマみたいに、七転び八起きで頑張るんだ」その度に、悲壮な覚悟と来年への抱負を聞かせてくれました。ところがやまちゃん、難行苦行の努力をしても、年収わずか73万円という極貧生活。いつしか30歳も間近、子ども生まれました。

 ところが、突然、年収3000万円の、売れっ子漫画家になりました。『コミックボンボン』で描いた、『プラモ狂四郎』が、大ブレークしたのです。

 後年、やまちゃんが、その時のことをしみじみと語ってくれました。

 「おかのさん、オレ、『プラモ狂四郎』がヒットする前の大晦日には、ダルマを買わなかったんだ。七転び八起きって、始めから「七回」苦労することを認めてるんだよね」

 「あ、そうか!」

 「だから、おれ、あの年は、ダルマの代わりに、開運熊手を買ったんだ。もう、苦労はいらない。運を一気に掻き集めようって、意識を変えたんだ!」

 熊手のご利益はさておき、やまちゃんが成功したのは、間違いなく、苦行を放棄したのがきっかけだったのです。

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