チャンスを得る人、なくす人ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

「こういう面白い本がある」と聞いたらどうするか。その場ですぐ買う、読み終わったら貸してと言う。

» 2016年01月28日 08時00分 公開
[中谷彰宏ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


教えてもらったら、すぐに買う

なぜランチタイムに本を読む人は成功するのか

 「こういう面白い本があるんですよ」と言うと、お金持ちの人はすぐにその場でスマホで買います。

 お金持ちの集団がいると、全員その場で買うので売切れます。「帰り道に買おう」と言っている人は、その時点で遅いのです。一番遅い人は、「今度貸して」「読み終わったら貸して」と言います。

 この人は、チャンスをなくします。

 本を読む人は、教えてもらうとその場で買います。昔と違ってその場で買える時代です。これがスマホの有効な使い方です。

 「教えてもらいました→その場で買う」となると、目の前にいる教えた人もうれしいです。「この本、面白いよ」と言った時に、「面白いですか。え、どんな話?」と聞く人は相手に対しての信頼感がありません。そうすると、その人に教えてあげようとは思わなくなります。

 例えば、面白い本を教えてもらって、「ぜひ読みます」と言いました。後日会った時に「この間の本、読んだ? 面白かったでしょう」と聞かれて、「ちょっとまだ……」となる人は、次から教えてもらえません。その人には面白い本の情報が入らなくなります。さらに、人間関係もなくなります。

 聞いておきながら実行しない人は、たいてい自分から「面白い本、ないですか」と聞きます。にもかかわらず実行に移さないのです。それは、本に出会えないだけでなく、目の前の人との関係を欠落させます。

 そうならないためには、面白い本を教えてもらった時は、まず買います。今は、配送でもその日に届く仕組みになっています。そうなると、その日に読めます。その日のうちに、本を教えてくれた人に感想を送れます。これをする人としない人とで人間関係が分かれるのです。

 お金持ちは、必ずその日に感想を送ります。教わったことから行動し、それに関してのレスポンスまでのサイクルがモーレツに早いのがお金持ちなのです。

 私は、著者謹呈で本をいただくこともあります。その時、どんなに締切で忙しくても、冒頭の1ページは受取ってすぐに読みます。「本、届きました。早速読み始めました。こういうところが面白いです」という感想もすぐに送ります。

 感想は、全部読んでから送らなければならないということはありません。まじめな人は、全部読んでから感想を送ろうとします。私は、表紙がいいと思う時は「表紙、いいですね」、タイトルがいいと思う時は「タイトル、いいですね」と、まず第1報を送ります。

 まじめな人がしくじるのは、「本、ありがとうございました。早速読みたいと思います」と送ることです。「早速読みたいと思います」と「読み始めました」とでは、本を送った側のうれしさが違います。

 本が届いたら、最後まで読まないうちに、いいと思ったところの感想をすぐに送ります。そうすれば、本を読むことによって本とつながるだけでなく、教えてくれた人とより仲よくなり、絆が深まります。

 「この本、面白いよ」と教えてくれた人に、「読み終わったら貸してください」と言う人は、その本は買うほどの価値がないと思っているのです。これは、「この人が教えることや情報にはそれほどの価値がない」ということを相手に暴露しているのと同じです。面白い本を教えてもらっても買わずに読もうとする人は、結果的に損をしているのです。

読む時間がないのではない。読むのに時間をかけているのがよくない。

 忙しい人、お金持ちの人、仕事でバリバリ成功している人ほど時間がありません。

 本の読み方は、

1、問題を解決するために読む(仕事)

2、楽しむために読む(趣味)

の2通りに分かれます。

 2の趣味の本は、ゆっくり読んでいいです。1の解決の本は、時間をかけないで読みます。読書法として「そんなにモタモタ読んでちゃダメでしょう」とアドバイスすると、「でも、小説はどうするんですか」と言う人がいます。それは、仕事のためと趣味のための読書法を混同した議論です。

 趣味の本はゆっくり読んで楽しみ、仕事の本はサッと読めばいいのです。

「読む時間がない」と言う人は、まとまった時間にじっくり読もうとしているのです。まとまった時間を読書のために使うのはもったいないです。本は、1分あれば読めるものです。その感覚を持つことです。それが読書の習慣につながるのです。

 習慣性のある人とない人とでは境目があります。「まとまった時間がなければできない」と言うのは、習慣性のない人です。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆