チャンスを得る人、なくす人ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2016年01月28日 08時00分 公開
[中谷彰宏ITmedia]
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 読書は、運動と同じです。運動と言うと、ジムへ行かなければならないと思っている人は、運動の習慣がない人です。運動の習慣がある人は、エレベーターを使わずに階段で上がろうとします。これは、日常生活の中でできる運動です。

 ジムへ行くのではなく、「今までエレベーターを使っていたけど階段で上がろう」と日常生活を変える形は、読書にも共通しているのです。

本を読む人と読まない人に、くっきり分かれる。お金の格差が、知性の格差ではない。

 今、世の中では、本を読む人と読まない人との格差が生まれています。

 お金を持っている人と持っていない人、学歴のある人とない人、才能のある人とない人、運のある人とない人の格差ではありません。お金の格差が本を読む格差にはなっていません。本を読む人の格差が知性の格差になり、結果、収入の格差につながるのです。

 実際、住んでいる地域で山の手と下町という言い方があります。それは、家賃の高いところと低いところという所得の差をあらわしています。所得の高い人は家賃の高いところに住むようになります。

 電車は、家賃の高いところから家賃の低いところまでつながっています。家賃の高いところに行けば行くほど、電車の中で本を読む人が増えてきます。これは、怖いことです。

 それなのに、いつも同じ駅で乗り降りしている人は気づかないのです。この習慣は、持って生まれたものではありません。自分が本を読むグループに入るのか、本を読まないグループに入るのかで分かれます。

 人間関係においては、本を読む人同士、本を読んでいない人同士で集まります。本を読んでいる人と本を読んでいない人のかかわりは、どんどんなくなっています。これによって世界が2つに分かれる状態が今起こっているのです。

 半々のところはありません。恋愛でも、本を読んでいる人は、本を読んでいる相手と出会えます。好きになった人が本を読んでいて、自分が本を読まない人間なら、その相手とはつき合えません。会話にならないからです。「最近、どんな本を読んだ? 何か面白い本あった?」と聞かれた時に、答えられません。

 例えば、取引先に行って、「君、最近こんな本を読んだ?」と聞かれ時に「いや、読んでいません」では話になりません。「僕、読みました」と言うほかの同僚との差がついてしまいます。

 本を読む人と本を読まない人とでは、世界がくっきり分かれます。真ん中の世界はないのです。本を読む人のグループに入りましょう。

著者プロフィール:中谷 彰宏

作家

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。

【中谷塾】を主宰。全国で、セミナー、ワークショップ活動を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。

著作は、『なぜランチタイムに本を読む人は、成功するのか。』(PHP研究所)など、980冊を超す。


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