部下が、やる気がないとイラッとするビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

部下のやる気のなさを、なんとかするには、どうしたらいいか。そもそも、リーダーは、やる気のかたまりなので部下とのギャップに悩むのだ。その解決策とは?

» 2016年06月09日 08時00分 公開
[中谷彰宏ITmedia]
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自分のヤル気に相手のヤル気がついて来ないと、ムッとする。

なぜあの人は感情的にならないのか

 「部下が、やる気がない」とイラッとするリーダーが少なくありません。

 「部下のやる気のなさを、なんとかするには、どうしたらいいですか」と相談されます。

 そもそも、リーダーは、やる気のかたまりなので、部下とのギャップに悩みます。

 自分がやる気があるので、部下にも当然あると、思い込みがちです。これが感情的になる原因で、結果、リーダー自身が疲れます。

 仕事においては、上司・部下・お客さま・取引先・協力スタッフなど、いろいろな人間関係があります。

 感情的になりやすいのは、一生懸命でヤル気のある人のほうです。「人に合わせる」という話と同じです。仕事の企画で、相手がそれほど一生懸命でないことがあります。

 誰しも口では「一生懸命します」と言います。ただし、相手の一生懸命さは、10段階くらいあります。

 例えば、自分が「10」で相手が「3」の時に、「どういうこと?」とムッとします。

 そうは言っても、最初から手を抜くと、いい仕事はできません。

 例えば、Aさんと仕事をする時に、自分は「10」で頑張ったのに、Aさんは「3」ということがあります。

 そこで、次にBさんと仕事をする時に、自分が「3」にすると、Bさんは「10」で来るのです。

 初めての相手と仕事をする時は、「10」のエネルギーでします。相手が「3」なら、「3」に落とします。一生懸命さを「10」から「3」に落とすのは簡単です。

 相手が「3」のエネルギーで来ているのに、自分が「10」のエネルギーで行くと、相手にとっては迷惑です。そこはニッコリ笑って、「ハイ、分かりました。“3”でいいんですね」と言えばいいのです。

 キーワードは、「ハイ、分かりました」です。「なんで?」とは言わないで、「ハイ、分かりました。それでいいんですね」という対応にすればいいのです。

「どうしたら、あの人を変えられますか」と聞く人は、感情的になる。

 「どうしたら部下の意識を変えることができますか」

 「どうしたら恋人の意識を変えることができますか」

 こういう質問は、よくあります。

 この質問をする人は、感情的になりやすいのです。人を変えることはむずかしいのに、あえて挑戦しているからです。

 本来、「やる気のない部下とつき合うために、私はどうしたらいいですか」という質問ならいいのです。そういう人は自分を変えることができるので、作戦を立てられます。やる気のない部下の頭を発奮させるのは、不可能です。

 それは自分の課題ではなく、部下が悪戦苦闘しなければならないことです。悪戦苦闘するなら、自分の課題のためにしたほうがいいのです。部下を変えようとする人は、部下の悪戦苦闘まで自分が引き受けることになるのです。

 感情的にならないためには、他人より自分を変えることです。

 世の中には、いろいろな人がいます。不具合な人を変えることはできません。不具合な人ともうまくやっていく方法を自分が身につけることで、冷静に感情をコントロールできるようになるのです。

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