部下のやる気のなさを、なんとかするには、どうしたらいいか。そもそも、リーダーは、やる気のかたまりなので部下とのギャップに悩むのだ。その解決策とは?
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「部下が、やる気がない」とイラッとするリーダーが少なくありません。
「部下のやる気のなさを、なんとかするには、どうしたらいいですか」と相談されます。
そもそも、リーダーは、やる気のかたまりなので、部下とのギャップに悩みます。
自分がやる気があるので、部下にも当然あると、思い込みがちです。これが感情的になる原因で、結果、リーダー自身が疲れます。
仕事においては、上司・部下・お客さま・取引先・協力スタッフなど、いろいろな人間関係があります。
感情的になりやすいのは、一生懸命でヤル気のある人のほうです。「人に合わせる」という話と同じです。仕事の企画で、相手がそれほど一生懸命でないことがあります。
誰しも口では「一生懸命します」と言います。ただし、相手の一生懸命さは、10段階くらいあります。
例えば、自分が「10」で相手が「3」の時に、「どういうこと?」とムッとします。
そうは言っても、最初から手を抜くと、いい仕事はできません。
例えば、Aさんと仕事をする時に、自分は「10」で頑張ったのに、Aさんは「3」ということがあります。
そこで、次にBさんと仕事をする時に、自分が「3」にすると、Bさんは「10」で来るのです。
初めての相手と仕事をする時は、「10」のエネルギーでします。相手が「3」なら、「3」に落とします。一生懸命さを「10」から「3」に落とすのは簡単です。
相手が「3」のエネルギーで来ているのに、自分が「10」のエネルギーで行くと、相手にとっては迷惑です。そこはニッコリ笑って、「ハイ、分かりました。“3”でいいんですね」と言えばいいのです。
キーワードは、「ハイ、分かりました」です。「なんで?」とは言わないで、「ハイ、分かりました。それでいいんですね」という対応にすればいいのです。
「どうしたら部下の意識を変えることができますか」
「どうしたら恋人の意識を変えることができますか」
こういう質問は、よくあります。
この質問をする人は、感情的になりやすいのです。人を変えることはむずかしいのに、あえて挑戦しているからです。
本来、「やる気のない部下とつき合うために、私はどうしたらいいですか」という質問ならいいのです。そういう人は自分を変えることができるので、作戦を立てられます。やる気のない部下の頭を発奮させるのは、不可能です。
それは自分の課題ではなく、部下が悪戦苦闘しなければならないことです。悪戦苦闘するなら、自分の課題のためにしたほうがいいのです。部下を変えようとする人は、部下の悪戦苦闘まで自分が引き受けることになるのです。
感情的にならないためには、他人より自分を変えることです。
世の中には、いろいろな人がいます。不具合な人を変えることはできません。不具合な人ともうまくやっていく方法を自分が身につけることで、冷静に感情をコントロールできるようになるのです。
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明治学院大学 経済学部准教授