「共感型リーダーシップ」と「対話力」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

就労スタイルの多様化したビジネスシーンでは、誰とでも、すぐに協力体制に入ることができ、心地よい就労環境をもたらすことのできる人が好まれる。

» 2016年11月24日 07時24分 公開
[晴香葉子ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


来春からはじまるビジネスシーンの心理変化

『2回目からは、スーツのボタンは外しなさい』

 リーダーに求める資質やコミュニケーションに、革命とも呼べる劇的な心理変化が、静かに始まりつつあります。

 2017年春に新卒入社となるメンバーが生まれた頃、1995年といえば、マイクロソフトがWindows 95の日本語版を発売した年。来春からは、いよいよITチルドレンたちが、ビジネスシーンに躍り出てくるのです。

 彼らの幼児期はITバブルに当たります。IT系メディアの躍進と楽しさ、豊かさを肌で感じて育ってきた、次世代の感性を持つ若者たちであり、まさに時代を牽引するに相応しい、次のような特徴があります。

・多くの若者は、既に主要なビジネスソフトウェアを使いこなすことができ、マルチタスク世代。イヤホンで音楽を聴きながら、PC上に流れてくるニュースを閲覧しつつ、パワーポイントを作成し、同時に横の携帯では、SNSでコミュニケーションも行う。このような能力が当たり前のように備わっています。

・ゲーミフィケーションに強い

ゲーム業界のノウハウを各種サービスや労務管理などに応用し、顧客満足度や生産性の向上を実現する「ゲーミフィケーション」。このような新しい流れも、すぐに自分のものとして活用する力をもっています。

・ボーダーレス

仕事とプライベートの境界が薄く、カフェや家に持ち帰って仕事をするのを好んだり、上司へも、SNSを使って即座に返信をしたり、仕事も遊びも等しく自由に捉え、工夫する力に長けています。

「共感型リーダーシップ」の時代

 これからは、新しい感性と力を持った若者たちをどんどん迎えていくわけですが、指導、指示という面では、難しいところもあります。良い意味で野心が無く、透明性と論理性を求め、理由を知りたがる彼らに、「いいからやっておけ」は通用しないからです。

 少子高齢化による、労働力不足が見込まれるということもあり、転職市場も、IT・エンジニア系、設備・技術者系、などの職種を筆頭に、売り手市場が続いています。転職へのハードルが低くなり、終身雇用にこだわらず、「好きな時間に好きな仕事ができる」ということを優先に考える人も増えています。年下の上司、年上の部下、リーダー以外全てフラットな関係というチームも増えていくでしょう。

 このように、就労スタイルの多様化したビジネスシーンでは、誰とでも、すぐに協力体制に入ることができ、心地よい就労環境をもたらすことのできる人が好まれます。次世代のビジネスシーンで主流となっていくのは、「共感型リーダーシップ」であり、欠かせない力は、「対話力」なのです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆