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» 2022年01月17日 07時09分 公開

第2回 学び直しを楽しむ極意人生100年時代を切り拓く! ミドルのための「学び」戦略(1/2 ページ)

ミドルが第二の職業人生を目指して学ぼうと思ったら、まず自己分析をする必要がある。素直な気持ちで自分に向き合い、ありのままの自分をとらえ直す。

[前川孝雄,ITmedia]

学び直しに向けて、まず自己分析から

『50歳からの人生が変わる 痛快!「学び」戦略』

 ミドルにとって幸福な第二の職業人生を手に入れるためには、学びがとても有効です。しかし、いきなり学びと言われても何をしていいのかが分からないという人も多いはずです。それは、20〜30年、会社の方針に沿って、その指示に従って働くことを強いられてきたサラリーマンにとって、「自分が本当にやりたいことは何なのか」は長い間蓋をしてきたテーマだからです。

 しかし、この根本的な命題に蓋をしたまま学び始めても意味はありません。行く先も決めず、海図もなく大海に船を出すようなものだからです。つまり、ミドルが第二の職業人生を目指して学ぼうと思ったら、まず自己分析をする必要があるということです。

 「50歳にもなって自己分析もないだろう。学生じゃないんだから」と思う人もいるかもしれませんね。しかし、自分のことは意外と自分では分からないもの。自分を理解することは年齢やキャリアを問わず、本来、誰にとっても必要なことです。

 聖路加国際病院院長だった故人・日野原重明さんが、105歳のころに著した『生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉』(幻冬舎)でこう語られています。

「105歳という年齢を迎えてもなお、僕にはまだ自分でも知らない自分がたくさんあり、その未知なる自分と出会えるということに、心からわくわくしているのです」

「100歳を超えたあたりから、自分がいかに本当の自分を知らないでいたかということを感じる」

「世の中でいちばんわかっていないのは自分自身のことだ、ということに気づくことができました。これは、年をとってみないとわからない発見でした」

 日野原さんの半分しか生きていない50歳には、まだまだ自分の知らない自分、自分の気付いていない可能性があるのではないでしょうか。

 日本の多くのサラリーマンは、今まで当然すべきことをしてきませんでした。自分の生き方・働き方の意思決定を会社任せにしてきました。職業人生の前半はそれでよかったかもしれませんが、これからは違います。会社から、自分の人生のオーナーシップを取り戻そうとするなら、自己分析は必要不可欠なプロセスなのです。

 自己分析は、(1)これまでの自分のキャリアの振り返り(自分の持ち味や強みの再発見)、(2)気になる仕事の研究(その仕事がしたい理由の深掘り)、(3)その仕事に取り組むための「学び方針」の立案(強みを磨き、弱みを補う方法の具体化)、の手順で進めるとよいでしょう。

ポジティブな気持ちで自分と向き合う必要があること

 その際に気を付けたいのは、ネガティブな気持ちで何かに強いられるように取り組む自己分析からは、本当の自分は見えてこないということ。恐怖心によるバイアスがかかってしまうからです。

 「こんなことが強みだとしても、きっと社会では通用しない。もっと何かアピールになる強みは見つからないものか……」「こんなことが好きだとしても、社会で求められるスキルにつながらない。何かほかのことはないか……」といった具合に、ネガティブな心理が随所に顔を出し、素直に自分をとらえ直すことを邪魔します。

 結果として、本来の自分を大幅に脚色したり、場合によってはありもしない自分を捏造(ねつぞう)したりしてしまう。これでは自己分析になりません。

 「こんなこと」で構わないではないですか。

 あなたには、さまざまな困難や変化も乗り越えて培った経験値が必ずあります。上司の評価も同僚の見る目も関係ない。自己分析とは、素直な気持ちで自分に向き合い、ありのままの自分をとらえ直すことです。他人から見たら取るに足らないように思えることでも、子供じみているように感じられることでもいいのです。重要なのはあなたが感じるあなたの強みは何かということであり、あなた自身が、何が好きかということなのですから。

 そのためには、マイナスの心理的バイアスがかかっていない、素直な前向きな気持ちで取り組むことが大前提です。未来がどう転ぶかは分からない。それは当たり前の話です。不透明な未来は、ただ漫然と想像すると恐怖心ばかりをもたらすかもしれません。

 しかし、あなたはこれから、会社に握られていた人生のオーナーシップを自分の手に取り戻し、第二の職業人生へと向かおうとしているのです。そこにはきっと今まで感じたことのなかった幸福や充実がある。それはすばらしいことです。

 ぜひ、そんな未来へのわくわくした希望を抱いて自己分析に取り組んでください。

 明治時代の思想家である内村鑑三は、キリスト教徒第六夏期学校での講話を記録した『後世への最大遺物』という著書の中で、人が人生を通して後世に遺すべきものとして、次の4つを挙げています。

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