イノベーションゲームは、企業の経営者の役を演じるプレイヤー同士が、ビジネスのアイデアを書いたカードをいろんな風に組み合わせて新しいビジネスを提案し、気に入ったものがあったら交渉し、双方が価格合意に達すれば商談成立ということになる、というのが基本的なスタイルのカードゲームである。言い換えれば、あまり関連がなさそうな複数のアイデアを結び付けて、いかに斬新で、しかも成長性が期待されるビジネスを創造できるかを競うものである。当然、良いアイデアを出せば、相手はどんどん買ってくれる。したがって、良いアイデアを出す社長はどんどんリッチになっていくわけである。
「まだ世の中に出ていないアイデアが将来、どういう風に価値を持ってくるか、ということをゲームを通して考えることができるわけです」と大澤氏は語る。その意味では、イノベーションゲームはまさしく現実のビジネスのあり方をシミュレーションするゲームである。
大澤研究室では昨年、その基本形をさらに発展させ、オリジナルのキーグラフを描いたゲーム盤を用いて行う新しいイノベーションゲームを開発した。それについては、改めて紹介することにする。
アナロジーゲームは、コンピュータ画面上にランダムに並べられた、何の関係性もない20個の単語を、類似性を考えて5つのグループに分けるというもの。ただし、いずれのグループにも2つ以上の単語が入っていなければならない、というのがルールである。簡単なゲームのように思われるかもしれないが、実はそうではない。
「クラスター分けをしていくと、どうしても1個の単語が余ってしまうことがあります。そうなると、そのクラスターを壊して新たに作り直さなければなりませんが、そのためには、発想力や創造力が大いに要求されるわけです」と大澤氏は語る。
組織としてビジネスを展開していくためには、共通の思いや目標を持つことが大事だ。そして、そのためには自分の考えがチームの他のメンバーと類似しているか、あるいは関連しているかを感じ取る能力が必要になる。アナロジーゲームは、そういう能力を養うゲームである。
「研究者にしても、ビジネスマンにしても、狭い領域内でお山の大将を目指す時代ではもうありません。山はすでに全部占領されているのですから、もっと視野を広げる必要があります。その時に必要になるのがアナロジー思考能力ですが、それは心掛け1つで鍛えることができます。もちろん、アナロジーゲームを通じてアップすることもできます」と大澤氏は明言する。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授