中国が国有企業の改革に着手する。大型企業を統廃合し、国際競争力の高い企業集団をつくり上げることに注力するという。
中国の情報通信分野の主管庁である「工業・情報化部」は、中国の通信業は安定的に成長し、2008年11月末時点でインターネット利用者数が2億9000万人に達したと発表した。
中国のインターネット利用者数は近年増加を続けている。2007年末時点では2億1000万人だったのが、2008年上期には既に2億5300万人を超えた。このペースで進むと、2009年1月には中国のネット利用者数は3億人の大台に乗ることになる。
中国のネット利用者の中で、ブロードンバンド接続の比率は80%強と高く、そのうち約半数はADSLでのネット接続を行っている。中国は既に全面的なブロードバンドインターネット時代に入っているともいえる。
ブロードバンドの普及、ネット接続回線速度の向上とネットの利便性により、ネットでのショッピング、情報交換、ゲーム、ビデオなどのコンテンツ利用も増えている。
中国政府は12月16日、国有企業の再編を推進する方針を発表した。国務院が監督管理する大型国有企業143社を、2010年をめどに3〜4割減に相当する80〜100社までに統廃合する計画だという。業績が堅調な企業同士を合併させるなどして企業規模を拡大し、国際競争力を高める。
国務院 国有資産監督管理委員会が開いた金融危機の対策を検討する会議の席上で、同管理委員会の李栄融主任が発表した。経営難に陥った国有企業を救済するのではなく、強者同士の合併などで30〜50社の国際競争力を持つ企業集団をつくり出すのが狙い。業種を選定し、上流部門と下流部門で分かれている企業を垂直統合し、技術開発やコストダウンを強力に進めていくという。
具体的には、石炭会社と電力会社の統合などを検討するほか、企業数が多いとされる自動車や鉄鋼業界でも再編が進められる模様だ。
中国の経済と貿易を管轄する商務部のモニタリングによると、2008年の中国の社会消費財小売総額は11月上旬で昨年の総額を超え、12月中旬に10兆元(1元は約15円)の大台を突破した。中央政府が内需拡大や経済の安定的急成長に向けて実施した政策の成果を見て取ることができる。
商務部によると、1978年の社会消費財小売総額はわずか1559億元だったが、14年後の1992年には1兆元の大台を突破して1兆94億元に到達している。さらに2003年には5兆元を突破した。
同部の責任者は「現在、国際金融危機が中国国内市場にマイナス影響を与えているが、クリスマスやお正月などの祝日を間近に控えて、市場における売り上げは一定の増加傾向を維持するものとみられる。2008年の社会消費財小売総額は11兆元に迫り、前年比約21%増加する見込みだ」と話している。
※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。
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明治学院大学 経済学部准教授