企業が変革していく鼓動を感じ続けたい――GABAの上山社長：石黒不二代の「ビジネス革新のヒントをつかめ」（4/4 ページ）

[石黒不二代（ネットイヤーグループ），ITmedia]

What's next?

　GABA変革の現状は、損益計算書のうちコスト面でやることは手を打ち、次は、お客様の信頼を得て、さらに売上を伸ばすという段階に来ています。ビジネス英会話に市場が振れているので、上達の速いマンツーマンのGABAには追い風です。ビジネス系では競合も多数ありますが、グループレッスンも併設している英会話スクールに比べ、ブースでマンツーマンレッスンを専門で行っているGABAは、1ブースあたりの家賃が安いため、受講料を抑えられるのが強みです。次は、”What we provide for clients”を徹底的に向上させ、顧客満足度を高めるためにできることは全てやることが上山さんのToDoリストにあります。

　企業の部門、支社、工場単位の研修など、法人需要が増えているので、派遣型サービスや派遣型と通学型を組み合わせるハイブリッドレッスンなど、マンツーマンサービスで培ってきた柔軟な対応を強みに、進めていきたいと考えています。

　「Gaba kids」は、子ども向けのマンツーマン英会話。以前の子ども専用の施設を廃止し、大人向けの教室のうち23校に受講を可能にしました。一人ひとりの個性やレベルに合わせてレッスンをカスタマイズするため、好評なようです。今年はさらに提供校を増やし積極的にマンツーマン市場を開拓していく予定です。

　上山さんの息子さんも、今は部活が忙しくなりいったん休んでいますが、中学3年から高校1年まで、Gabaに通っていました。今まで習い事で自分から予約して行くというのは初めてだったようです。大人が対応してくれて、外国人の先生とマンツーマンで趣味のNBA（北米のプロバスケットボールリーグ）の話などで盛り上がり、ちょっと背伸びをした感じで楽しんでレッスンを受けていたようです。そして、自らもレッスンに通う上山さん。「いや、大変です」これが一番難しい宿題かもしれませんと笑いながら話してくれました。

著者プロフィール

石黒不二代（いしぐろ ふじよ）

ネットイヤーグループ株式会社代表取締役社長 兼 CEO

ブラザー工業、外資系企業を経て、スタンフォード大学にてMBA取得。シリコンバレーにてハイテク系コンサルティング会社を設立、日米間の技術移転などに従事。2000年よりネットイヤーグループ代表取締役として、大企業を中心に、事業の本質的な課題を解決するためWebを中核に据えたマーケティングを支援し独自のブランドを確立。日経情報ストラテジー連載コラム「石黒不二代のCIOは眠れない」など著書や寄稿多数。経済産業省 IT経営戦略会議委員に就任。