30人の女性トップリーダーからの得た、「ビジネスと成功に関するアドバイス」
この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。
この要約書から学べること
今日の競争が激しく非情なビジネスの世界で昇進することは、特に女性にとっては大変なことです。米国の労働人口のおよそ半分は女性で占められていますが、フォーチュン500 社CEO の女性率はわずか3%です。では、出世する女性がほとんどいないという、この「やせ細り現象」の原因は何なのでしょう?
「女性とリーダーシップに関するコンサルタント」である、セレナ・レズバーニは、自身の研究およびさまざまな業界の女性幹部30 人に行ったインタビューに基づいて、その質問に答えています。レズバーニは、今まさに市場に参入し始めている、先輩たちの経験から多くを学ぶことの出来るX 世代およびY 世代の女性をターゲットとしています。本書は、人脈、交渉、職場方針の管理、そして仕事と私生活の一体化の方法を解説したものです。性別に関係なく、リーダーになりたいと望む全ての人に本書をお勧めします。
今や女性の社会進出はすっかり珍しいことではなくなり、組織では男性と肩を並べて仕事に励む女性の姿を見ることも当たり前となっています。この書では、そのような見た目だけでは分からない、女性の上昇志向を阻む真の問題について書かれた、核心を突くものとなっています。時には、男性との対比を交えて説明されていて、女性がキャリアを積み、さらに社会で必要とされる存在となるために、有益な手引きとなるはずです。
職場における女性の平等問題は、時代遅れに思われるかもしれません。実際、米国の労働人口の46.5%を女性が占めています。しかし、統計値をもっと詳しく見てみると、ある特定の不平等が浮き彫りになります。フォーチュン500社の幹部のおよそ85%が男性で、女性CEOはわずか3%しかいないのです。毎年、米国の学士号および博士号の半分以上が女性に与えられており、法学部や医学部の卒業生のおよそ半分が女性です。
それにも関わらず、女性の雇用が「やせ細り現象」を見せている業界がいくつかあります。その中では女性は昇進することができません。そのため、新しく労働市場に加わる世代の女性は、模範とする女性のリーダーがいません。女性のリーダー志望者が直面すると考えられる障害としては、社会的、経済的、心理的、さらには世代的バリアがあります。
幼少期に男子も女子も、女性は生まれついてのリーダーではないと教えられます。社会によって、女性は従順で感情的で、男性より知能が劣っているという既成概念が植え付けられるのです。
女性は同じポジションの男性が稼ぐ金額のわずか80%しか稼げていません。このような賃金の不平等が、女性にキャリアの道を進むのを思いとどまらせているのです。
女性は多くの場合、自分の欲を抑え、昇進や新しいチャンスをつかむ前に、自分にはもっと訓練や経験が必要だと考えます。
トップに就いた数少ない女性は、自分の下にいる女性に必ずしも手を差し伸べ、上に引き上げてあげるわけではありません。
職場で男女が平等に権利を得ていると思われる中、リーダーを望む女性が必ずしもその地位に付いていないのは衝撃の事実です。それを妨げているバリアは意識しているとは限らず、無意識的に心に植え付けられているものもあるでしょう。
「ウーマノミクス(女性経済)」は、なぜ企業は女性に指導的役割を追求するよう後押しするべきなのか、説明しています。それは、彼女達のスキルやノウハウにはいまだかつて無いほど需要があるからです。これに加え、人間関係をベースにした協力的な、生まれながらのリーダーシップ・スタイルは、グローバルビジネスの環境で非常に有効です。また、女性は一般的に複数の業務を同時にこなすことに非常に長けており、コミュニケーション能力が高く、判断力があり、問題解決を得意としています。
女性が生まれ持つ長所を見れば、リーダーとなる資質を持っていることが分かります。これを読む限りでは、女性がリーダーとなることについて何も問題はないように感じられます。というか、逆に女性リーダーのほうが良いというケースも非常に多いのではないでしょうか。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授