企業にとってイノベーションは必須命題です。社会起業家を知ることは、時代が求める社会イノベーションを起こすきっかけになります。企業には3つのメリットがあります。
1つは社会課題からビジネスを発想する新しい視点を持つことです。いろどりの例では、この過疎の山村をなんとかしたいという強烈な想いから、「葉っぱ」が料亭の料理のつまに使われる商売になりました。
2つ目は、企業理念に根ざした社会への役立ち度が高い事業開発に繋がることです。昨年日本でも開催された「世界を変えるデザイン展」が問うたのは、世界の10%の人のためのデザインではなく、残り90%の人のためのデザインをしよう、というものでした。成熟市場でコスト削減競争に追われる、ごく少数の富裕層のために新機能を開発する。これに魅力を感じない社員は多いですし、消費者も社会貢献度の高い企業を支持する傾向が出ています。立派な企業理念が壁にかかっているだけでは世の中は変わりません。
最後は社員の社会起業家マインドの醸成です。企業の社会価値は、社員が創り出した社会価値の総和です。一部はお金に換算されて表現されていますが、本当の価値は社会が真に求めているものにどれだけ応えられたかではないでしょうか。まず社会に必要とされていることを考え、次にどう事業化するか。これらにチャレンジする社会起業家マインドは、企業が社会に存在し続けるための重要な要素になってきています。
社会起業家という生き方に触れよう!
1、社会起業家という生き方を知る
書籍:多くの関連書籍が出版されるようになりました。お勧めを3冊紹介します。
WEBサイト:社会起業家とソーシャルビジネスの情報を得られるサイトの代表例です。
TV番組:
2、社会起業家に触れる、事業に参加する
ETIC.、社会起業大学、SVP東京等では、社会起業家をスピーカーに招いて多くのセミナーを開催しています。また構想中の事業計画に対して意見・アドバイスする場もあります。SVP東京ではさらにプロボノとして社会起業家の事業に参画する機会を提供しています。
3、企業で社会起業家を育てたい方へ
まずは書籍やセミナーなどで概要を理解した上で、自社の企業理念や創業精神、育成したい人材像などと照らし合わせてみてください。社会起業家と社員の接点を持つ意味を感じたら、社会起業家育成・支援機関にコンタクトしてください。仕事に取り組む姿勢、チャレンジ精神、人生を楽しむ豊かな生き方など、マインド面で大きな効果が得られることと思います。
ソーシャルウィンドウ株式会社代表 特定非営活動利法人パブリックリソースセンター理事 寄付サイトGive One 事務局 社会起業大学 講師 ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京 パートナー。
外資系コンサルティング会社で10年就業後、2001年より市民社会の実現を目指してNPO支援・CSR支援・社会起業家支援を生業としている。企業からソーシャルビジネスを創出すべく、企業経営者・社員の心の「社会の窓」を開ける支援を行っている。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授